上海での演奏会準備に没頭していますが、とても時間が足りません。体調のこともあり、いつものように(というか若い時のように)ノンストップで弾き続けるわけにもいかず、気ばかりが焦ります。
でも、冷静に考えてみると、ツァオ・レイとのアンサンブルも含め、予定されているプログラムの準備は一通り終わっていますので、おそらく以前の私なら今の仕上がり状態でも不安なく出発したような気がします。
違いはクオリティの掘り下げ方です。以前は「問題なし」のレベルで不安は消えましたが、今では確実性と共にかつてない洗練度を自分に求めているので、並の仕上がりではとても満足できなくなりました。
そして、毎度のことながら、中国での演奏会はわからないことだらけ。果たして音響は大丈夫なのか、リハーサルの時間は確保されているのか、などなど心配ごとを挙げたら切りがありません。これまで考えたこともないような事態や考えの相違に遭遇する可能性は、かなりのものです。
どんなシチュエーションでもベストを尽くすための精神的な訓練や経験は十分に積んでいますが、せっかく練りに練った音楽表現も不十分な環境では台無しです。
まあ、今心配しても仕方がないので、残された時間で出来る限りのことをして上海に向かいます。そろそろ荷づくりも始めなくては。明日は上海からお届けします。