だいぶ熱が下がり、全快も目前という実感が持てるようになりました。急な快復の決め手は栄養。やはり健康は食べることこそが基本と思い知りました。
昨晩は6日のディナー以来、久しぶりのまともな食事。日本料理の板前が病中に適した料理をこしらえてくれたので、胃への負担が少なく、バランスのいい内容でした。何より、見た目の美しさが食欲を支えてくれました。
ずっと何も食べていなかったわけではありませんが、果物やプリンがほとんどで、糖質ばかりでエネルギーがまったく足りず、また、塩分などミネラルも不足したため、生理的に壊滅状態だったのかもしれません。
病中に甘いものとか乳製品はむしろ控える方がよく、良質な炭水化物を取った方がいいよと友人の栄養士からのアドバイス。おかゆに梅干しというのは、最強コンビなのですね。
いつもなら、体調変化の「スイッチ」が入る瞬間が判るのですが、今回はそれがありません。そこで、いったいいつから不具合があったのか振り返ってみました。
最後に元気ハツラツだったのは、5日の坂出コンサート当日です。翌6日もまあふつうにしていましたが、かなりの疲労感。でも、それはコンサートで消耗したことによるものと思っていました。
2日は大阪でレッスン。確かその日は雨で、傘を差さずに歩いてアメリカ人と間違えられたような。ああ、冷たい雨に濡れたのも、よくないですね。
3日にもレッスン、そして徳島へ。徳島の夜にも喉の不調を自覚していましたが、4日には治った気でいたわけです。
そして迎えた5日のコンサート。今思えは、リハーサルが終わった時点で「疲れた」と口にしていたような・・・ふだんなら決して口にしません。
でも、本番は楽しくて楽しくて仕方がないといういつもの気分で、100分を存分に演じました。終演後も、スタッフや遠方からの親しいお客様と共に、夜遅くまで話に花が咲き、充実した一日だったわけです。
おそらく、5日のコンサートが無ければ、3日の不調はそのまま悪化していたでしょう。でも、コンサートがあるというだけで、体調不良さえ隠してしまう強力な自律が働き、全神経が演奏に集中するのです。
ランナーズ・ハイならぬミュージシャンズ・ハイとでもいいましょうか。この効果に守られた5日の前後は、体調不良を実感する隙もなかったのでしょう。
東京に戻り、次の出張まで6日間あるという、そのゆとりが緊張を解き、体調不良を許したのかもしれません。
もちろん、どこかでリセットしておかなければ、もっと深刻な事態になったかもしれないので、今回この程度で済んでよかったと思うべきですね。
週末には北海道へ出発です。それまでには、すっかり元気になり、2週間も弾けなかった苦しさと悲しさを一気に吹き飛ばすような演奏を届けます。