日本のうた

今週は22日に控えたコンサートの準備を進めています。プログラムはすべて懐かしい日本のうた。誰もが知っている童謡や唱歌が次々と飛び出してきますが、このシンプルな魅力をエレクトーンで表現するのはあんがい難しく、新しいセンスを開拓する必要があると感じています。

日本の唱歌や童謡は、1曲が短く、和音の構成もシンプルです。エレクトーンはどちらかというと、壮大な音楽を奏でるのに向いています。というか、その方が楽に仕上げられます。

ところが、シンプルなものになると、とても気を遣います。まず音色ですが、100万色の絵の具がある中から、数色を厳選して使うような感じでしょうか。凝り過ぎては過分になりますし、選択を誤るとちぐはぐなイメージになります。

基本的にピアノ伴奏譜を基に、半ば即興的に伴奏するのですが、ふだんの華やかな演奏に慣れ過ぎているためか、ついつい手足が過度に動いて、余計なことをしてしまいます。

そんなわけで、歌は素朴でわかりやすいものでも、そこにシンプルな美しさと洗練を追求するとなると、究極に難しくなるのです。

今回も歌ってくれる中安千晶さんは、BS日本・こころの歌にレギュラー出演している、FORESTAのメンバー。これまで数々の日本の曲を歌い続けて来ました。

またフルートとのアンサンブルでは、言葉のない世界で、日本のこころをいかに表現するかが勝負どころです。エキゾチックな雰囲気さえ漂う、外国人視点からのアレンジ譜をベースに、深遠な世界を描きたいと思います。