3月23日のサロンコンサート「音楽のたのしみ」は、春の湧き立つ雰囲気をお届けいたします。
曲目はだいぶ前から決めて日々稽古に励んでいたのですが、いまひとつ発表するのをためらっていました。というのは、前半の4曲を弾くだけで放心状態になり、なかなか後半の曲目まで手が伸ばせず、本当に弾けるのかな?と不安になっていたのです。
シンフォニーのたとえ一部分でも弾くというのは、私にとって極めて特別なことで、全神経を注いでもまったく足りない領域に挑んで、常に満身創痍でいるという感じです。ただスコアの音を出すだけなら簡単ですが、身ひとつでベートーヴェンやチャイコフスキーに仕上げるには100年掛かりそう。
まだまだ洗練度が足りないというか、深いところまで行き届かないのですが、着実に向上しているところを感じていただきたく、プログラムに入れました。5月のリサイタルでドヴォルザークの9番を弾くことを思えば、単楽章3つはまだ楽なのかもしれませんが、余裕はありません。エレクトーンでシンフォニーを弾くことの意味などをお話ししながら紐解いてまいりますので、お付き合いください。
後半は全然稽古が進みませんが、まあ大丈夫でしょう。どの曲も大好きですが、ひとつあげるとしたら「金星」です。この、永遠の静寂を背景とするような神秘的で完全なる美を、自分ならどう弾きたいかを最初に考えたのは9歳の時。ですから、もう半世紀近くイメージし続けた世界観なのですが、地味な曲なので弾いてもあまり注目されることがありませんでした。今回はサロンの至近距離ですので、この曲への思い入れを共有しやすい環境です。ご期待ください。
そして、皆さまお楽しみのお菓子は、銀座千疋屋の「いちごオムレット」をご用意します。挽きたてのコーヒー、さくらフレーバーの紅茶や緑茶は、お好みのものをお選びください。また、神田将バースデーが近いということで、今回に限りシャンパンのサービスもございます。
お席にはまだ空きがございますが、毎回間際のご予約でいっぱいになりますので、お菓子などは定員分にゆとりを持たせて注文してあります。でも、このままお席が埋まりませんと、お菓子が無駄になってしまうのがもったいないです。
ぜひこの機会に、地下スタジオでのシンフォニー&ティーサロンコンサートにご参加ください。お待ちしております。
【演奏曲目】
J.シュトラウス:ワルツ「春の声」
L.V.ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」第1楽章
L.V.ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」第2楽章
P.チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」第4楽章
⭐︎⭐︎⭐︎ティーサービス⭐︎⭐︎⭐︎
E.グリーグ:ペールギュント「朝の気分」
C.チャップリン:ライムライト「テリーのテーマ」
久石譲:もののけ姫
坂本龍一:ラストエンペラーのテーマ
日本古謡:さくら
G.ホルスト:組曲「惑星」より《金星》《木星》
