海の日の前後は名古屋で過ごしました。
祈りのプロであると同時に育てのプロでもある響尾美千江先生が率いるHibiki Music Houseの発表会と、同じく響尾美千江先生が主催する神田将エレクトーンコンサートが、同日同会場にて連続して開催され、関わった皆さんと濃厚で思い出深いひとときを共有することができました。
発表会出演のお弟子さんは18人。教室には大人も通っているとのことですが、今回出演したのは全員子どもたち。一昨年の冬にも響尾先生の発表会で司会を務めまして、今回もまた同様の役割を受け持つことになったのです。
前回に続いて再会となった子ども、前回後に入会した初参加の子ども、それぞれが思い思いに選んだ曲に自由に味付けしたものを、のびのびと演奏してくれました。
舞台はいつだって生ものですから、出演者全員に幸運が約束されているわけではなく、時には不本意なことになりもしますが、大切なのは成果以上に舞台までの道のりであります。成果に関わらず、皆が精一杯の努力を注ぎ当日を迎えた、そのことこそが将来の役にたつのです。
ほんのりとした緊張が漂ったり、思春期の苦悩が旋律に見え隠れしたり、落ち着いて丁寧に弾いていたり、どの演奏にも個性と思いがみなぎり、説得力がありました。18人のステージの後には、響尾先生による体当たりの演奏が披露され、自分を信じて突き進むことの尊さを、きっと子どもたちも受け止めているだろうと確信しました。
続くコンサートは、私の120分フルステージです。自分たちが弾いた同じ場所で聞く演奏は、どのように伝わったでしょうか。最前列で食い入るように聞く彼らに、私はありったけのことを伝えたいと思って弾きました。
体力が低下しているところで、どうしても無理をせずには弾けなかったのですが、手を抜かないこと、自分の決めたことを貫く人間の姿を見てもらえたと思います。
名古屋周辺の皆さまのみならず、響尾先生の人徳で遠方からも続々とお客様がいらっしゃいました。数年ぶりに客席へお戻りくださったご常連様をステージから拝見した時は感無量でした。
当初は日帰りで訪問予定でしたが、体力を考慮して前後泊をさせてもらい、馴染みのホテルの親切な係たちとも談笑することができ、笑顔に溢れる名古屋でした。
さて、いよいよ霧島!必ず生きて帰ります。
写真:Kaito Ueda Photography