今日の熊本は汗ばむほどの陽気でした。
熊本・有明楽器さんでのjet Happy Liveは、おかげさまでとても気持ちよく演奏させていただき、滞りなく終えられたことをご報告します。
朝9時。滞在先のホテルまで楽器店の社長さん自ら迎えにきていただき、社長さんの運転する車で雑談をしながら会場へと向かいました。
とにかく昨日からご当地の方に聞きたくて仕方がなかったことを尋ねました。
どうして熊本では馬料理が名物になったのか。
これには諸説あるそうです。
阿蘇のふもとに高原地帯が多く、そこに自生していた馬を食したのが始まりとか、熊本を治めた加藤清正が馬をこよなく愛しながらも、出兵先で食糧難に遭遇し、断腸の思いで馬を食したなどなど、、、
都市伝説のようでもありますが、いずれにしてもご当地の皆さんは、私が思っているほど頻繁に馬を食べているわけではないそうです。
旅先で食用の牛を飼育している様子はよく見かけますが、食用の馬は見たことがないので、いつか遭遇する機会があることを期待しています。
そうこうしているうちに、立派な健軍神社の前を通過し、ほどなく会場となる有明楽器さんに到着しました。
楽器店としては規模の大きなお店で、1階にはピアノをはじめ楽器がずらりと並んでいます。
会場は2階のパンプキンホール。普段は幼児科のレッスンが行われているそうで、防音室でありながらも仕切りがガラスなので、中の様子がよく見えます。
すでに楽器がセットアップされていて、すぐにリハーサルを始めることができました。
今日は見慣れないスピーカーだな・・・と思いきや、背後から見るとKA-75ではないですか。
KA-75とはエレクトーン用に開発されたアンプ内蔵スピーカーで、1本100万円もする品物です。
もう販売していない旧式のモデルですが、パワフルなのにまろやかな音を出してくれますし、細やかな音楽表現をしやすいので、私のように管弦楽的な音楽を奏でるにはぴったりです。
なぜ気がつかなかったかというと、前面のネットカバーが取り外されて、中がむき出しになっていたため、別の品物だと勘違いしたのです。
ネットカバーはわんぱくな子供ちゃんたちが破ってしまったのだとか。
でも、とりあえず、本体は大丈夫でした。
実際に演奏しながら響きを確かめていきますが、四角いホール内を菱形に使用しているため、反射してくる音にばらつきがあって、演奏をどうコントロールしても微妙なところに違和感が残ります。
また、楽器自体もタッチレスポンスにちょっとしたブレがあって、なかなか私との相性が一致せず、ちょっと焦りました。
暴れ馬の騎手になったような心境でしょうか。
でも、こういう場合は、あまり時間ギリギリまで突き詰めてしまうと、かえってハマってしまうので、あとは本番の運とお客様からいただくパワーに賭けることにして、リハーサルを終えました。
若き社長さんの挨拶があり、いよいよ本番スタート。
いつも通り落ち着いて演奏しているつもりでも、午前中開演はやはり何かこうピタッと決まらないんですよね。
考えてみると、午前中の開演は、今回が今年初めてです。
ああ、このまま悪循環に陥らないようにしないとと、少々焦り気味・・・
でも、ちょうど真ん中あたりでやさしい笑顔を向けて下さっている方、最前列で私の手足に見入ってくれている子供たち、一番後ろで見守っている先生方など、皆さんの存在を感じていると、だんだんと演奏に集中できるようになっていきました。
気がつくと、今日も115分コース。
アンコールも用意していましたが、会場の照明が明るくなり、これは終了のゴングかなと思い、びしょぬれのタキシードのボタンをはずしました。
終演後は何人かのお客様とお話ししました。
最近になってエレクトーンの始め、今は夢中だとおっしゃる60代の女性や、将来はエレクトーン講師になりたいと勉強中の男の子など、エレクトーンに深い愛情と思い入れを持っている方々に接することができ、私の方が刺激をもらいました。
その後、今日お手伝いをして下さった先生、jetアドバイザリースタッフの超ベテラン先生、そして社長さんと生パスタが自慢の店で楽しいランチタイム。
演奏後のけだるさを吹き飛ばすには辛いソースがいいだろうと思い、アラビアータを注文したら、これが激辛で一気に目が覚めました。
おかげで、先生方や社長さんとエレクトーンのことについて深く話しができてよかったです。
これで今期のjet Happy Liveはすべて終了です。
今日、熊本に来て下さった皆さん、そして今期のHappy Liveにご来場下さったすべての皆さん、本当にありがとうございました。
熊本を出発し、リレーつばめとのぞみを乗り継いで岡山に到着。
のぞみ車内のオーディオサービスでジャン・ジェンホワさんの演奏が取り上げられていて、その「二泉映月」にとっても心揺さぶられながらの移動でした。
今夜は岡山ステイです。