横浜コスモホテル Twin Room
Plumm / Hotel Cosmo Y.
2008.09.19(金)
横浜市西区
楽-1

ツインルーム室内
 
ギャップ 横浜駅西口から歩いて5〜6分。駅前の喧騒から次第に遠ざかり、何となく街外れに差し掛かったと感じる場所にコスモホテルがある。近隣にはファミリーレストランやコンビニエンスストアがあり、裏手の方には高台や緑が見え、落ち着いた住宅街にも程近いようだ。

ホテルの開業は1990年3月。ちょうどバブル期に計画されたホテルらしく、ロビーは広く立派に造られている。大理石をふんだんに使い、一角に設けられた吹き抜けや中央のアーチ天井には、シャンデリアがいくつも下がっている。このゆとりはビジネスホテルには贅沢だが、コミュニティホテルとして考えれば納得がいく。

飲食店は3店舗あり、特に地階にある日本料理店はオーセンティックな雰囲気。婚礼に適した宴会場を備え、館内の一部はそのブライダル需要を意識した改装が施されている。

メインロビーにも改装の手を加えているようだが、石や真鍮の重厚な空間内では、見た目だけの低価格モダン家具がみすぼらしく感じられる。それでも、余計なもので埋め尽くすようなことはせず、必要最低限の配置にとどめていることで、全体の雰囲気が破綻するには至っていない。

一角にはリゾートテイストのソファを置き、書籍やマガジンを備えた棚を設けることで、むしろ居心地のよいロビーを演出している。だが、宴会場フロアやロビー階のレストランは、中高生の服を扱う店のようにケバケバしくもあり、毒々しい印象がある。確かに個性的ではあるが、心地よいという感じがしない。

チェックインしたのは夕方6時過ぎだった。台風接近が予報され、次第に風雨が強くなってきている。フロントには3人の若い係が立っていた。あまり手馴れた感じがなく、ペンを差し出す際の向きや、言葉遣いに違和感もあったが、丁寧で健康的な接客を心掛けているという努力は強く伝わってきた。印象からすると、大学生のアルバイトのようだ。

エレベータはロビーの反対側に2基。客が多い時はよく待たされた。他の滞在客を見ると、カジュアルなファミリー、ビジネスマンのシングルユースに加え、社会人スポーツチームのグループ宿泊など、幅広い層に利用されているようだ。

今回用意されたのは6階の客室。エレベータホールや廊下のカラースキームはフロアによって異なっている。ブラウン基調や赤と黒などさまざまなパターンがあるが、6階はモノトーンの世界。ロビーの華やかさとのギャップがあり過ぎるように感じられた。

しかし、客室内はいたって昔ながらの雰囲気。面積は20平米程度だろうか。カーペットと寝具は比較的新しそうだが、イスのファブリックはあまりにボロくて汚いなど、ここにもギャップがある。レイアウトはオーソドックスなホテルスタイル。ベッドは110×200サイズが2台並び、7インチ厚のシモンズ製マットレスを使っている。寝具はカバーと一体化したタイプで、ベッドリネンの肌触りはビジネスホテルレベルだった。

ベッドと窓の間にはアームチェアふたつとテーブルがある。入室時のセッティングは閉店後の喫茶店のように片付けたようなスタイルになっていたが、すぐにくつろげるような状態にセットした方がいいように思う。窓は小さく、眺めは隣の駐車場ビルと、景観にはまったく期待できない。

デスクユニットはワイドで使いやすい。テレビは23インチの液晶型を備えているが、リモコンの受光機がテレビの反対側にある冷蔵庫の上にあるのが不便だった。テレビの下は3段の収納引き出しになっているが、内部に妙な臭いがこもっており、私物を収納するのはためらわれた。デスクの前には大型ミラーがあり、その上に蛍光灯の照明を設置している。他にはフロアスタンドとナイトランプしかないが、この蛍光灯がかなり明るいので不便はなかったものの、ムードには欠ける。

また、フロアスタンドの位置だが、おそらくエキストラベッドを入れた際のことを想定してデスク脇に置いているのだろうが、室内の照明バランスを考えるとベッドと窓の間に置くのが望ましい。このように客室係の都合を優先したアレンジを目の当たりにするのは気分のよいものではない。

デスクにはモダンなデザインのマグカップとドリップコーヒーが用意してある。冷蔵庫のミネラルウォーターとともに、無料でサービスされるアイテムだ。コーヒーはとてもありがたいが、このカップの形状が気になった。底の方がすぼまっていて、やや不安定なのである。コーヒーがこぼれると、客も困るが係も困るだろう。もっと安定のいいものを採用した方がいい。

バスルームは140×180センチのタイル張りユニット。アメニティは壁掛けディスペンサーで、歯ブラシなどのアイテムは新しい黒いパッケージのものと旧来のものが混在している。シャワーの圧はまあまあ。しかし、とても気になったのがタイルの汚れである。特に扉の上部などは、少なくとも数年は一度も拭いたことがないという汚れ方だった。毎日念入りにやれとは言わないが、時折汚れをチェックするくらいの目配りは必要である。

朝食はロビー階のレストランで提供される。メインディッシュは和洋をチョイスするスタイルで、サラダ、フルーツ、ヨーグルト、納豆、漬物、飲み物は、和洋のチョイスに関わらず好きなものを自由に取り分ける。比較的早い時間から賑わっていた。結局、台風の影響は警戒されていたほどではなく、翌朝には気持ちのよい青空が広がった。

 
オーソドックスなレイアウト マットレスには思い入れを感じるベッド 窓は小さい

奥から入口を見る 冷蔵庫は空ではない テレビリモコンの受光部は冷蔵庫上

片付けられたようなイスのセッティング ちょっと模様替え 不安定なカップ

バスルーム 見慣れないメーカーのドライヤー 新旧入り混じったバスアメニティ

彩りのない6階廊下 6階エレベータホール ロビー階エレベータホール

ひろびろとしたフロントロビー ロビーのソファセット ロビーのソファセット

ロビーのシャンデリア ロビーのシャンデリア レストラン店内

宴会場フロア 外観 外観

 横浜コスモホテル(公式サイト)
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