小田急ホテルセンチュリー相模大野 Single Room
Odakyu Hotel Century Sagami-Ono
2008.07.29(火)
神奈川県相模原市
哀-2

ひとりだけのプライベート空間
 
音楽の刺激 今回もまた「ラ・パレット」でのサロンコンサート当日の滞在だった。コンサートは昼夜の部ともに予約で満席となっていたのだが、当日になって夜の部にキャンセルが出た。それもまとまった人数であった。店のキャパシティが小さいので、各回ともに最大40名限定なのだが、そこから10名近くが欠席となれば、雰囲気がガラリと変わってしまうだろう。だが、幸いにもちょうどキャンセルになったのと同じだけの当日予約が入り、昼夜ともに和やかな雰囲気の中、料理と音楽を愉しんでもらうことが出来た。

音楽が人間に及ぼす効果は絶大だが、どんなに頑張っても味覚に訴えかけることは不可能だ。嗅覚も難しいと思われるだろうが、コンサートホールには独特の香りがあって、それも音楽を聴く際に何らかの刺激となっている。聴覚、視覚は言うまでもないが、残る触覚はどうだろうか。大音量の低音から伝わるものはもはや聴覚を超えており、腹や骨の髄をタッチされたような感覚として捉えられることも、容易に想像がつくだろう。

かくして音楽は人間の感覚を多角的に刺激するわけだが、そこに味覚の満足が加わればまさに「五満足」。更に霊感までも呼び覚ませたなら、もうそれは人知を超えた技と思われようが、実はそれこそが芸術の域であるのではなかろうか。神話に例えるならルクールとミューズのコラボレーション。このシナジーは想像を超えている。

コンサートが終わり、すべてのゲストを見送ってから、スタッフの反省会が行われる。小さなことでも、気づいた点を意見して、次に活かすのである。反省会なのに、添えられる飲み物は豪勢だ。この日はあるゲストから差し入れられたムートンを片手に一日を振り返る。ビンテージが2001年とあまりに若いので、ソムリエは反省会の時間を逆算しおよそ3時間前に抜詮してあった。羽根のような軽やかさすら残しつつ、絶妙のバランスであった。

片付けを済ませホテルに到着したのは、午前1時近くだった。チェックインは若いバイト風の兄ちゃんが担当した。用意された部屋は客室としては一番低い階のシングルルーム。廊下はひどくタバコ臭かったが、室内は大丈夫だった。

ちょっと喉が乾いたし、夕食の時間がなかったので、近隣のファミレスにでも行くかと思ったとたん、大粒の雨が窓を叩き始めたではないか。傘を借りるのも面倒だし、こりゃ我慢せよとの知らせだと思い、外出は中止。それなら早速バスタブに湯を張って一息つくとしよう。

湯を出しながら、持参したバスソルトを投入すると、心地よい香りが立ちのぼる。狭いシングルなので、たちまち部屋中にアロマが広がった。湯が張るまでの間、タキシードを広げて小さなクローゼットに吊るしたり、エナメル靴の手入れをし、そろそろかなと思ってバスタブの様子を見たら、なんと湯が抜けているではないか。

栓が外れちゃったのかと思ったが、それはちゃんとはまっている。バスタブの底に穴が開いているようでもないし、不思議だなぁと首をひねりつつ栓を持ち上げてみたら、なんとスカスカ。サイズが合っていないのである。これでは栓をしても、湯はたまらないはずだ。バッグの中にビニール袋が入っていたので、それを重ねて即席で栓を太くし、なんとか湯がもれないようにすることができたが、ひとつしかない入浴剤はもうすっかり流れてしまい、仕方なく白湯に浸かった。

翌朝は7時に朝食。和洋のブッフェだが、前回は洋食をメインに食べたので、今回は和食にチャレンジ。ひじきや金平ゴボウ、ミツバたっぷりの味噌汁など、なかなかヘルシーな内容だった。客層は中東系の外国人が多い。何かの技術者なのだろうか。

チェックアウトも外国人客で混雑していたが、係は客をできるだけ待たせないようにする配慮を見せていたし、「お待たせして申し訳ございません」と、本当にそう思っているような仕草で言っていた。客室の清掃がいまひとつ雑だったことが残念だった。

 
ベージュのベッドスプレッドを使った部屋 テレビと収納家具 小さなデスク

冷蔵庫キャビネットの上 ベイシン トイレとバスタブ

 小田急ホテルセンチュリー相模大野(公式サイト)
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