ヒルトン名古屋 Executive Room  
Hilton Nagoya
2008.06.23(月)
名古屋市中区
怒-3

ヒルトンらしさのあるロビー
 
客の満足と言いつつ自己弁護 ヒルトンの到着したのは12時半頃だった。とりあえずチェックインを済ませて、荷物を置き、それからランチでもしようというつもりでいた。1階のフロントでは、ちょうどカウンターがふさがっていたので、エグゼクティブラウンジに直行した。予約はレギュラーフロアで入れてあったが、HHonorsの特典でエグゼクティブフロアにアップグレードされると予測していたからである。

当日エグゼ階に空きがなければアップグレードされない場合もあるが、特別な時期を除いてそれは稀であり、この日のような月曜日は特に余裕があるので、まず間違いないと踏んでいた。実際、サイト上でもエグゼ階に空室が十分にあることを確認してあった。

だが、エグゼ階のレセプションカウンターに行くと、「いったい何しに来たの?」という顔をされた。係に一瞬浮かんだその表情を見逃すほどバカではないものだから、これは面倒なことになるなと直感し、瞬時に臨戦態勢を整えた。係に名前を告げると端末を操作して予約を探し出した。

見つかった予約によれば、18階の部屋がアサインされているという。それはとてもグレードの低いフロアである。予約どおりだと言ってしまえばそれまでだが、空があるのにアップグレードしないという状況に泣き寝入りする必要もない。

アップグレードはできないのかと尋ねると、「今日は混雑しているので18階しかご用意できないんですが・・・少々お待ち下さい・・・」といかにも消極的な感じで端末をパチパチ叩いている。「サイト上ではまだエグゼ階を売っていますよねぇ。」と突っ込むと、しぶしぶ「喫煙のツインならなんとかご用意できますが・・・」との返事。なら、どうしてそのツインを用意してくれなかったのか。

聞けば「ダブルの禁煙をご希望だったので、その条件に合った18階の部屋をご用意していました」と言う。現時点でのHHonors規約では、エグゼ階にアップグレードされない限り、ラウンジやフロア特典は利用できないことになっている。近く改められるとは聞いているが、現状はだめなのである。

「ダブル禁煙でアップグレードなし(ラウンジも使えない)」と「ツイン喫煙でエグゼ階にアップグレード(ラウンジアクセスやフロア特典もあり)」だったら、多くの人が後者を望むであろう。なのに、気を利かせて前者を選んでおいてやったみたいな言い方をされれたのでは、とても気分が悪い。気を利かせるのなら、到着時に選択させてくれればいいのだ。これほどアップグレードに消極的で、ヒルトンに泊まり慣れたダイヤモンド会員たちが、満足するとでも思っているのか。

いったいどういうつもりなのか、マネジャーに話を聞きたくなったので、そこに呼んでもらった。まだ若いマネジャーは規約がどうのこうのと、それこそ「お決まり」の言い訳を始めた。そんな規約など、裁判官が法に精通するがごとく、こちらも百も承知である。彼の言っていることは、9割方が自己弁護である。客の満足のために出来る限りの誠意を尽くすという基本など、どこかへ吹っ飛んでいるのだろう。

そんな彼に言いたかったのは、今一度基本を思い起こしてくれということだ。目の前にいる客に満足してもらうために、いったい何をやったと言えるのか、もし要望に応えられないのなら「ああ、それならば仕方ありませんね」と納得してもらえるだけの何をしたのかを、どうか自問して欲しかった。それをせずして、ホテルのポリシーを守ることに必死になっている姿など、哀れ以外の何ものでもなかろう。

だが最初噛み合わなかった話も、最後には解決した。結局は努力してラウンジと同じ階にあるダブルのエグゼクティブルームを用意してくれた。ここまで1時間を要したので、ランチを食べる時間はなくなってしまったが・・・

ヒルトン名古屋ではデラックスフロアの改装が行なわれたが、エグゼクティブルームはまだ以前のままだ。ブルーのカーペットに艶やかな木目の家具、そしてゴールドの額縁やスタンドがアクセントになっており、窓にはヒルトンらしい障子と襖をあしらっている。

ベッドは180センチ幅のキングサイズだが、マットレスは厚さ6インチ程の古いものを使っており、寝心地は今ひとつ。デュベも軽いというのを通り越し、スカスカ状態で寒かった。まくらは色々な種類が6個もセットされているが、ちょっと無駄な気がした。特殊な枕はリクエストで用意すれば十分に思う。

窓を向いたデスクにはオフィスチェアを添えているが、引き出しに用意されたステーショナリーは以前よりもアイテムが減った。テレビは32インチの液晶に入れ替わっている。入口脇にはスペースを有効活用したミニバーと収納がある。まるで船室を参考にしたような収納には、アイロンとアイロンボード、いろいろな雑誌類なども用意されている。ミニバーにはコーヒーメーカーもあるが、味はイマイチだった。

バスルームは165×240センチのユニットで、壁はタイル風のボード、床とベイシントップは大理石で仕上げている。以前は向きを揃えた綿棒ボックスや、1枚ずつ紙で巻いたハンドタオルが用意されていたが、それらはもっと簡素に備えられるようになった。シャンプー類はヒルトン共通のクラブツリー&イブリンだが、30mlに満たない小さなチューブ1本だけしか置いていない。しかも、コンディショナーだけ品切れなのか、別ブランドのものが用意されているというのも、いい加減な印象を与える。

ラウンジでは、午後にデザートブッフェがあり、ホールケーキやタルト、スコーンなどが並ぶが、この時間は比較的空いている。しかし、カクテルアワーと朝食は終始混雑しており、居酒屋のような騒がしさ。朝食時のテーブルには、朝一番なのに、汚れたカトラリーや、誰かが使用した後のジャムがセットされていた。客層は夜も朝もラフな外国人が多い。

フィットネスは、ジムだけは広く取られているが、ロッカー、バス、サウナは狭い。サウナはせいぜい3〜4人程度で一杯だ。ロッカーに椅子が幾つか並んでいるが、ゆったりとくつろげるようなコーナーはない。プールはテニスコートを見渡せる場所にあり、広くはないが混むこともなくマイペースで利用できた。

夜は友人を誘って「ウインドーズ・オン・ザ・ワールド」へ出掛けた。月曜日だからか店内はガラガラ。店が広いので余計に閑散として見える。天井が高く、中央にはツリーを思わせる装飾とバーカウンターがあって、天井に向かって照射しているブルーのライトが幻想的だ。

ステージではライブミュージックが演奏されており、80年代のヒットソングばかりで懐かしかった。店内の雰囲気も80〜90年代を思い起こさせる。あの頃はすべてのものに勢いがあった。そして、手を伸ばし続ければ、星にも届くような気がした。だが、今は怖くて何にも手が出せない時代になったなぁと思う。

 
キリッとした印象のエグゼクティブルーム ベッドからデスク側を見る 6つの枕がセットされている

マットレスは薄い 入口方向を見る バゲージ台の上にはピクチャーライトがある

シッティングスペース デスク ミニバー

ベイシン バスタブ バスアメニティ

ウェルカムアメニティ ラウンジで振舞われるデザート エグゼクティブラウンジ

エグゼクティブフロア内の階段 2階レストランフロア アトリウム

「チェッカーズ」 ロビーラウンジでのデザートブッフェ 最上階のラウンジ

 ヒルトン名古屋(公式サイト)
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