コンフォートホテル新山口 Double Economy
Comfort Hotel Shin Yamaguchi
2008.06.17(火)
山口県山口市
哀-2

新山口駅
 
朝食抜き 今回山口県に入ったのは16日の午後、つまり前日のことだった。当初は山口市内でのアポイントを済ませてから萩に移動し、萩のホテルに宿泊する予定になっていたが、急に県知事と会うスケジュールが入り、滞在はニュータナカに変更された。ニュータナカには何度か泊まっているし、特段の新たな発見はなかった。第一、深夜に到着し、早朝に出発したので、あまりしみじみとホテルを愉しむ余裕がなかった。加えて言うなら、用意されたのが陰気なシングルルームだったので、とにかく寝てしまおうと思ったのである。

そして、あくる朝は6時に出発した。まだレストランが開いていなかったので朝食を食べられなかったのだが、これが後にとんだことになるとはこの時想像もしなかった。萩では午前10時からクローズの公演が予定されており、会場準備やリハーサルのために8時過ぎには現場に入りたかった。

途中で時間があれば適当に朝食をと思っていたが、実際にはそんな余裕はなく、準備にギリギリのタイミングで会場に到着した。そしていつも通りに準備を進め、サウンドチェックをして、ちょうど開場の時間になったので、楽屋で着替えて待機。舞台袖でも気分的にはいつも通りだったので、ディレクターから「それではお願いします」の合図を受けて、平常心でステージに上がった。

演奏を始めてすぐに異変に気付いた。なんだかパワーが出ないのだ。エンジン空ふかし状態。乱れるわけではなかったが、ダイナミックさに大きく欠けていただろうと思う。仮に記録画像があったとしても、今回のばかりは生涯見たくない。原因はただひとつ、「朝食抜き」である。

いつもは朝っぱらからフルコースかという勢いでモリモリ食べる。そういう習慣なので、もう体がそれを待ち構えているのだろう。定例の供給がないものだから、体はたちまちストライキを起こしたらしく、一日で十歳老けたような気分を体験し、もう二度と朝食抜きではステージに立たないと誓ったのであった。

意気消沈して山口市内に戻り、今夜の宿にチェックインした。それは新山口駅前に最近オープンしたばかりのコンフォートホテルだ。新山口駅はかつて小郡駅と言ったが、山口市が合併した際、駅名も改められた。個人的には小郡の方が味のあるいい名前だと思うのだが。そして、駅は新幹線口と在来線口があるが、構内を抜けずにそれらを往来しようと思うとかなり遠回りになるらしい。

新幹線口の方はそこそこ開けているものの、在来線口は昔ながらの雰囲気というか、むしろ寂れつつあるような印象がある。駅前から延びる道は広いけれど、日中でもほとんど人通りがない。幹線道路沿いだけが賑わう、典型的な地方都市の様相だ。

ホテルは新しいだけに清潔感が際立っている。サービスはフロントがすべてだが、その唯一の窓口たるフロント係は、みな明るく健康的な雰囲気を持っている。部屋タイプもダブルかツインのみとシンプルだ。今回はダブルが用意された。カテゴリー名称はダブルエコノミー。このエコノミーというのが気に入らないが、全室そうなのだから仕方がない。部屋もコンパクトながら清潔。シティホテルと違って多くは望めないが、ビジネス利用のニーズを考え抜いた設備を整えているので、シンプルな滞在にはとても便利だ。

部屋は8階のコーナールームだった。隅っこならば少し幅広くなっていて、その分広いだろうと喜んだが、幅は同じで他の部屋よりも柱が2倍太い。ということはむしろ狭いわけだ。残念。インテリアはグレー基調で、華やかさはまったくないが、ベッド側の壁紙だけ違うものを使うなどの工夫はしている。面積は12~3平米程度だろうか。

ベッドは140センチ幅で、小さな窓に寄せて置かれている。足元も柱にギリギリ迫っているので、掃除がしにくいことだろう。ナイトランプはチューブの読書灯のみで、ベッドボードに小物置き程度の棚とコンセントなどが設けてある。天井には蛍光灯のシーリングがあって部屋全体が明るい。

デスクユニットはバスルーム側の壁に面して設置。部屋の広さにしてはゆとりのあるデスクトップを持ち、オフィスチェアが添えられている。冷蔵庫は空。LANはもちろん無料だ。テレビは20インチのAQUOSだが、枕と並んだ位置関係なので、ベッドからテレビを見るのは苦しいかもしれない。天井高は240センチと低く、壁の上部に取り付けられた空調は、風がベッドに直接当たるのが気になった。また、隣室の音は筒抜けである。

バスルームは110×160センチサイズのコンパクトなユニットバスだ。タオルは大小1枚ずつ。アメニティは最低限の品揃えだった。客室は2階以上にあるが、2階と3階はビルに囲まれ、昼でも暗いほどではないかと思われる。

夕食は周辺のレストランでと思い、ちょっと付近を散策してみた。あまり飲食店は多くないが、ホテルのすぐ裏手に「アミーゴ」というステーキハウスがあった。その名の通りメキシカンな雰囲気である。店を営んでいるのはご夫婦らしく、奥様がサービスに当たっていた。とにかく朝食抜きで散々な一日だったので、豪快に大きなステーキを注文。他にもメキシコ料理をいくつか頼んで、エージェントとふたりでキレイに平らげた。小ぢんまりとした店だが、雰囲気もいいし、ステーキがとても美味しかった。

ロビー奥のラウンジでは、無料のコーヒーサービスと朝食サービスがある。朝食にはおにぎり、いなりずし、パン、殻を外したゆで卵などが用意されるが、モリモリ派としては大いに物足りなかった。それでも空腹で出掛けるよりはずっといい。

 
コンパクトなダブルルーム 集約されたデスクユニット エアコンは家庭用風

デスクサイドの棚 シンプルなナイトパネル 小さいが清潔感のあるバスルーム

付近の眺め SL山口号用の客車 駅前ストリート

正面玄関 鮮やかなエレベータ床 ラウンジ

 コンフォートホテル新山口(公式サイト)
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