後だしジャンケン
2007.06.15(金)
グランド・ハイアット・福岡 Grand Club Room
Grand Hyatt Fukuoka
怒-3

キャナルシティの噴水 山口県でのスケジュールを終え、福岡へと移動した。隣の県なので、新幹線を使えはあっという間だと思っていたが、解散となった場所は新岩国。そこは山口県でも最も広島寄りにある。しかもその時間、「ひかり」や「のぞみ」との連絡が悪く、結局博多まで「こだま」で1時間半掛けてのんびりと向かうことになった。

福岡での用件を済ませ、ホテルまでタクシーを利用したのだが、これがまたサービスが悪かった。車内は極めてタバコ臭いし、行き先を告げても返事すらしない。にもかかわらず、車内には優良サービスを示す金の星が自慢げに輝いている。こんな現状を見てしまうと、星のお墨付きには何の意味もないのではないかと思えてくる。

ホテルに到着すると、一転、明るく親切なサービスに触れることができ、気分がよくなった。以前が感じが悪かったドアマンも、今回は礼儀正しく出迎えてくれたし、荷物の扱いも丁寧だった。グランドクラブラウンジでチェックイン。用意された客室は、グランドクラブのツインルーム。前回利用した一番条件が悪いと思われる部屋の隣のタイプだ。ということは、2番目に条件の悪い部屋である。

どう条件が悪いかというと、それは部屋の面積。同じタイプ内なら、設備は共通で欠けているものはないのだが、外壁がカーブして徐々に狭くなっている部分に当たっているので、並びの部屋でも部屋の広さは同じではない。数字的な差はわずかでも、窓際付近のゆとりという点では、数字以上に雲泥の差を生み出している。

今回のタイプも狭い部類なので、窓際に置かれたイスは互いにひしめき合い、雑然とした感じがする。なのに、入口付近やバスルーム側のベッド脇には、妙にゆとりがあってアンバランスな印象。もう少し均整の取れたレイアウトにできなかったのだろうか。

夕方には「クラブオリンパス」を利用した。滞在の度に使わせてもらっているが、広々としていて気に入っている。近所にあるなら会員になりたいくらいだ。今回はちょっとした事件があった。着替えをしようとロッカーの扉を開けたら、扉ごと外れて、手前に倒れ掛かってきた。まさかこうなるとは思っていなかったので、手を扉のノブに添えたままの体制で、倒れてきた扉に頭突きされた。近くで着替えていた会員が、慌てて「大丈夫?」と声を掛けてくれたが、ちょっとビックリした程度でケガはなかった。クラブの受付に電話をして係を呼び、別のロッカーに替えてもらったが、これからしばらくは、ロッカーの扉を見る度にディフェンス体制を取ってしまいそうだ。

クラブ内のジムは広くマシンも充実している。プールは最大25メートル長で、プールサイドにはジャクージもあって、トレーニングとリラクゼーション両方に適している。ロッカールームの奥には、ラウンジとバスエリアがあり、バスエリアにはワールプールバス、熱い湯、水風呂、高温サウナ、中温サウナ、ミストサウナが揃う。だが、せっかく設備を充実させ、タオルなども豊富に用意してあるのに、シャンプー類などが街場のサウナと同レベルなのが残念。ここでもバランス感覚が欠如していることがうかがえる。

トレーニングの後は、クラブラウンジに立ち寄り、食前酒と軽いオードブルを楽しんだ。シャンパンはルイロデレール。フードカウンターには、和風小皿や魚介マリネ、チーズ、野菜スティックなどの他、フルーツやタルトが並ぶ。これだけでも軽い食事代わりになりそうだが、ほんの少し味見程度で済ませ、レストラン「アロマーズ」に向かった。

照明を落とし、ハイアットらしい軽快な音楽が流れる店内は、都会的で洗練を感じさせる。喫煙席にはアトリウムに面したテラス席もあるが、禁煙席はダイニングホールに設けられている。テーブルクロスに布ナプキンというセッティングながら、コースは3,200円からとリーズナブル。スペシャルな内容のフルコースでも8,000円で提供される。初めてこの店を利用するので、まずは一番手頃な3,200円のコースに決めた。

内容はプリフィクススタイルで、前菜、スープ、パスタ、デザートをチョイスする仕組み。福岡トマトとモッツァレラチーズ、オックステールのコンソメとビシソワーズのロワイヤル、オマール海老のラビオリ、クレームブリュレを選んだが、どれも値段以上の価値を感じさせた。特に、オマール海老のラビオリは、パスタ料理ながらメインとしても十分通用する出来栄えだった。焼きたてのパンと共に添えられる焼きニンニクがとても美味しい。サービスは、やや人によってムラがあるものの、さっぱりとしていて、いかにもハイアットらしい感じだった。

翌日の朝食は「なだ万」を利用した。店内は可動式の壁で細かく仕切られており、個室感覚。和朝食は2,600円。品数は控えめで、量も上品だが、それぞれの味や質はよかった。サービスも至って丁寧ではあるが、同じホテル内とは思えないほどに、その雰囲気は違っている。少なくともハイアットのテイストとは掛け離れており、ここがテナントであることを強く印象付けられた。和朝食の後に、ラウンジに寄ってコーヒーだけ飲んだ。部屋は埋まっているようだったが、ラウンジを利用している客はとても少なかった。

なかなか快適な滞在ができ、気分よくチェックアウトできそうだったのだが、会計が済んだ時、その上機嫌は一気に吹き飛んだ。それは、フォリオを渡される時に係から聞かされた、「一休.comなどの予約サイトからのご予約については、ゴールドパスポートのポイント加算対象外になりましたので」という言い分が原因だった。確かに今回の予約は一休.comを通じて入れた。これまでも同様にして来たが、いつもゴールドパスポートのポイントは加算されていた。

最近、スターウッドなど、自前の予約でなければポイント加算しないというホテルも増えたが、そのような変更がある時には事前に何らかの知らせがあったし、予約サイト画面上にもそうした注意書きが記載されている。しかし、このホテルからそのような知らせはなかったし、注意書きもない。これでは後だしジャンケンみたいじゃないかと文句を言ったところ、「そもそも規約上はそうなっているし、知らせる義務もない」というような返答をされた。

これまでOKだったのに急にダメだと言ったら、客が困惑するとは思わないのかと重ねて尋ねると、「本部の指導があったので」と開き直り。「本部の指導」とやらがどのような内容なのかは知らないが、まさか「客にナイショで秘密裡に行なうように」などと指示されたわけでもなかろうに。

第一、せっかく客を囲い込むことを目的として募った会員を、自ら突き放すような行為をするとは愚の骨頂だ。最近のホテルは決まりだとか、ポリシーだという表現を乱用するが、そんな規約スレスレのところでしか物事が考えられないとは、あまりに程度が低過ぎる。客が気持ちよく利用できるように、戸惑ったり困ったりしないように、そしてこのホテルを選んでよかったと思って出発してもらえるように、知恵を絞って行動に移すのがサービスというものではないか。

係は「独自のサイトからのご予約でしたら同じプランでもポイントを加算できますので」と説明するが、自前サイトにも同様のプランがあることは以前より知っていた。だが、ユーザー登録だのなんだのと面倒なので、できるだけ一本に絞りたいと思って一休.comを利用している。ホテルが自前で予約を受けたいのなら、他を締め出すなどという浅知恵ではなく、より充実したプランやベストレートを考えるべきだが、今回のケースでは、せめてチェックイン時に説明してくれれば、その時点で打つ手はあったのだ。こんな調子で客の不評を買っていたら、ホテルはいずれ自分の首を絞めることになるだろう。

 

ツインルーム手前から奥を見る 奥から入口方向を見る デスク側を見る

バスルーム バスタブと洗い場 客室階廊下

和朝食 グランドクラブラウンジ ラウンジのガーデンに咲く紫陽花

 
グランド・ハイアット・福岡 060802 061003


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