米塚温泉
2006.11.13(月)
阿蘇プリンスホテル Twin Room A
Aso Prince Hotel
楽-3

ホテル外観 熊本空港からタクシーに乗って約30分。国道57号線に沿って走り、JR豊肥本線の赤水駅を過ぎたあたりで右に曲がって、長いアプローチを上がっていくとホテルのエントランスが見えてきた。チェックインタイムの15時よりもだいぶ早い到着だったが、入口では係が出迎えてくれ、そのままフロントへと案内してくれた。ロビーは横に細長く、見るからにプリンスホテル的なインテリアデザインになっており、川越プリンスや大磯プリンスにも似た感じがする。ロビーだけ見ると、シティホテルだかリゾートホテルだかわからない。だが、ロビーの一角はゴルフ場のクラブハウスも兼ねており、それがシティホテルにはない雰囲気を醸している。

チェックインはスムーズで親切だった。手続きだけで、部屋に入れるのは15時からと覚悟していたので、すぐに部屋を用意してくれたのは驚きであり、とても嬉しかった。今回は年老いた叔母を連れての旅であり、できるだけ早く部屋でゆっくりさせてやりたかった。案内してくれたのは、今年入社したばかりだという若いベルガール。はにかみながら微笑む様子が初々しい。聞けば、今朝の阿蘇は冷え込んだらしく、窓が凍りついたという。だが、日中はほどよい気温に感じられ、爽快だ。

用意された部屋は最上階の6階にあるツインルーム。ゴルフ場に面した側で、大きな窓からは豊かな緑と阿蘇外輪山の雄姿が望める。窓の外はバルコニーになっており、阿蘇の美味しい空気を胸いっぱいに吸い込んだり、その空気を部屋の中に招き入れたりできるのがいい。だが、この日はまったく風がなく、窓を開け放っていても、何の音もしない静寂の世界だった。風景もまるで静止画のようで、都会ではありえない環境に出会うことができた。上窓は脇にあるハンドルで開閉できるようになっている。また、最上階だけは天井が斜めに高くなっており、290センチから400センチという圧倒的な天井高を持っているのも特長だ。

ベッドは110センチ幅で、プリンスホテル特有の薄いマットレスを使っているので、寝心地はよくない。寝具は羽毛布団を薄いアイボリー色のデュベカバーで包んでおり、最初からターンダウンが済んでいるようなスタイルでメイクされている。ベッドと窓の間にはテーブルを挟んでふたつのアームチェアがあり、ベッドの向かいの壁に沿って、テレビユニット、デスク、クローゼットが並ぶ。それらはすべて置き家具で、テレビには再生専用ビデオデッキが備えられている。室内に湯沸しポットはなく、給湯室まで取りに行かなければならない。また、他のフロアでは冷蔵庫は空になっているが、このフロアだけは各種飲み物が用意されている。照明は、窓際のペンダント、ナイトランプ、デスクスタンドのみで室内を照らしている。

バスルームは4.2平米の面積があるタイル張り仕上げで、ビデも設置されており、バスタブや便器は水色のものを使っている。だが、館内には温泉大浴場があるので、結局客室のバスルームはベイシンとトイレしか使用しなかった。温泉大浴場は風情のない造りで、いかにもゴルフ場の浴室という感じ。男性用の方が広く眺めもいい場所に設置されていて、女性用は裏側に面しているようだ。米塚温泉の源泉掛け流しで、薄い茶褐色をしている。

この日は千葉から修学旅行に来た高校生たちもこのホテルに滞在していた。一般客と遭遇することはほとんどないように注意が払われているが、見張りの目を盗んで大勢の高校生たちが温泉に忍び込んできた。入口には「修学旅行生の使用は禁止です」と書いてあるが、若い彼らにはそんな表示は意味を成していない。でも、「こんばんは!」とか「おじゃまします!」と声を掛けてくる彼らはなんだか憎めない。そのうち会話が弾みだして、結構仲良く話をしてしまった。気が付けば、大浴場は大勢の高校生たちで賑わっていた。若い連中に囲まれた後、鏡で自分の顔とカラダを見てショック。なんじゃこのジジイって感じ。いくら若い気でいても、ホンモノの若者の艶には到底敵わない・・・

レストランは思いの外混雑していた。周囲を見ると年配の夫婦がほとんどで、和やかに落ち着いたいい雰囲気だった。料理は2種類の和食、洋食、洋風懐石の4コースがあり、いずれも5,800円。+1,200円でメインが肥後牛ロースに、+2,400円で肥後牛フィレに変更できる。せっかくなので、叔母のためにフィレに変更してみたが、それは正解だった。若者による真面目なサービスも心地よかった。やや熊本弁のイントネーションが感じられ、旅先で食事をしている実感が味わえた。翌朝は残念ながら雨。朝食は宴会場でのバイキング。あまりパッとしない内容だが、洋食に比べると和食の方が充実している印象だった。

 
大きな窓のツインルームA 置き家具が並ぶ 傾斜した天井の最高部分は4メートル

ベッド ベイシンとバスタブ トイレとビデ

バルコニーからの眺め 男性用大浴場 フロント前

 
阿蘇プリンスホテル


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