フロントの内線番号を探せ
2006.09.15(金)
ホテルモントレ半蔵門 Single Room
Hotel Monterey Hanzomon
哀-2

ホテルを見上げる ホテルモントレ半蔵門は、地下鉄半蔵門駅の出口に近い好立地に、2006年9月12日に開業した。都内では、山王、銀座、ラ・スールギンザに次ぐ4軒目のモントレとなる。各ホテルモントレには、それぞれにデザインコンセプトが決められ、そのテーマを徹底的に表現するデザインが施されている。それはさながらテーマパークのような楽しさだ。半蔵門のキーワードは「江戸」だという。どんな仕掛けがあるのか、開業間もない新ホテルに、早速滞在してみた。

モントレ半蔵門の周辺には、大使館なども点在し、都心にありながら落ち着いた環境に恵まれている。少し歩けは皇居もあって、首都東京の雰囲気が実感できるだろう。エントランスからフロントへと至るアプローチも、なかなかよくデザインされており、これまでのビジネスホテルにはない期待感を演出している。フロントロビーは建物の内側に位置しており、窓はない。ロビー空間そのものは狭くないし、石の床や壁のモザイクタイルなどもいい感じ。だが、イスの類は最低限しかなく、くつろげるような設えにはなっていない。エレベータは3基あり、ユニークな階数表示が印象的だ。

今回利用した客室は、最も狭いと思われる14平米程度のシングルルームだ。エレベータホールから客室に至るまでの廊下カーペットや、客室扉のルームナンバー表示などには、趣のある図柄が用いられているが、室内のインテリアは意外とさっぱりしたものだった。山吹色の壁紙と行灯のような照明器具が、江戸のイメージなのだろう。コンパクトな客室では、これ以上の工夫は難しいかもしれない。

ベッドは120センチ幅で、デュベカバー仕上げ。マットレスはシモンズで快適だった。デスクユニットもコンパクトだが、イスやミラーなどにもセンスが感じられる。クローゼットは小さめの置き家具で、窓の脇に置いた。窓は縦長で、外気の取り込み口を設けている。高層階だったが、眺めは近隣のビルが見えるだけでパッとしなかった。バスルームは黒い縦縞のパネルで囲まれ、墨絵を思わせるような渋い空間だ。浴室金具もよく吟味されており、アメニティは豊富に揃っている。

ここまでは、なかなかやるじゃないかという印象だが、もし特別な対応を求める事態になった場合には、結局はビジネスホテルの体質でしかないことを痛感することになるだろう。今回も、部屋に不備があったために、フロントに連絡する必要が生じた。デラックスホテルならば客室係が対応する内容だったが、このホテルの客室係はとっくに帰ってしまっている。フロントに電話を掛けて対応を求めようと思ったのだが、室内のどこを探しても、フロントの内線番号が記載されていない。ディレクトリーの隅々まで見たが載っていないので、通常は交換台である9番を押してみたり、適当な番号を押してみたりと、あれこれ試したがまったく通じなかった。

仕方なくフロントに出向いて事の次第を伝えたが、対応はにぶく、要領を得なかった。電話番号がどこにもないと言っても、ディレクトリーに書いてあるはずだと主張していた。デラックスホテルならば、通常このようなことにはならない。客の要望に応えたり、不測の事態に備えるために、様々な用意が整っているからだ。今回は、充実した滞在を安心して楽しむためには、多少値段が張っても、都市型のデラックスホテルに滞在する方がいいと実感させられた。

 
14平米のシングルルーム デスクユニットもコンパクトにまとめた 行灯のようなナイトランプ

イスのデザインもなかなか 浴室金具も吟味されているバスルーム バスタブ

客室扉のハンドルもいい感じのデザイン ホテルのエントランス フロントへと続くアプローチ

 
ホテルモントレ半蔵門


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