style in retro
2006.05.09(火)
山の上ホテル Septo Hollywood Twin Room
Hilltop Hotel
楽-3

窓の外にはプランターがある 山の上ホテルの本館と別館は隣り合ってはいるが、建物は完全に独立しており、雰囲気も異なる。文化人好みという評判も頷けるレトロな木目調の本館に比べると、別館は白を基調とした明るいロビーが示すように、新しさとオーソドックスさを感じさせる。別館ができた頃は、いかにも新館という新鮮さがあっただろうが、時とともに希釈され、なんとなく均衡が取れてきたという感もある。今なら、山の上ホテルらしいのんびりとした時間経過を、どちらの建物でも体験できるはずだ。

別館のフロントもまたこぢんまりとしているが、大理石造りでロビー全体を見渡すという点で、本館とは異なる。ロビー奥にはソファが並び、フロント前にもベンチシートや木製のイスが置かれている。チェックインを済ませて向かったのは、7階のアートセプトフロア。わずか7室から構成される特別フロアで、スタイリッシュなデザイン空間が自慢だ。エレベータを降りると、ダークウッドと間接照明が織り成す幻想的な廊下がある。

今回利用したのはハリウッドツイン。建物のコーナーに位置し、2方向の窓を持つ。窓の外にはプランターがあって、可憐な花が風にそよいでいる。シッティングスペースやデスクのイスがカッシーナ製だったり、バング&オルフセンのCDプレイヤーが壁に掛かっている他、照明器具や浴室金具も選りすぐりのアイテムが揃っている。

ベッドには真っ赤なスプレッドが掛かり、幅の狭いシングルベッドが2台ピッタリと並んでいる。ベッドボードやデスク側の壁面はダークウッドで、部屋の雰囲気を引き締めている。クローゼットの脇には飾り棚があって、ガラスのオブジェがディスプレイされている。

バスルームの扉は磨りガラス製で、内部は艶消しの大理石で仕上げてある。シンプルなボウル状のベイシン、棒状のシャワーヘッドなど、使いやすさはともかくとして、デザインは面白い。アメニティはエトロ製で揃えた。だが、客室の清掃状況は、山の上ホテルらしくないものだった。テレビや照明器具の上には、指で字が書けるほどに埃が積もっており、全体的に丁寧に清掃をしたという印象ではなかったのが残念。翌朝は、「山の上」で和朝食を。本当に丁寧に作られ、素朴ながらも体が喜ぶ朝ごはんが食べられた。

 
窓際にはシッティングスペース それぞれのベッドは狭い デスク周辺

ベイシン バスタブ エルメスかと見紛うアメニティ

別館フロントカウンター 別館ロビー 「山の上」の朝食

 
山の上ホテル 041022


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