永田町的ホテル
2006.02.18(日)
全国町村会館 Single Room B
Zenkoku Choson Kaikan
楽-2

アトリウムのブロンズ像 全国町村会館は、青山通りに面しており、永田町駅から徒歩数分、最高裁判所や国会議事堂にも程近い好立地に立つホテルである。その名称から浮かぶのは、古臭い公共施設のイメージだが、オープンは1998年と比較的新しい。フツウのホテルとは違うどこかお堅いイメージは、都市センターホテル、麹町会館などと通じるものがある。

まず、同じ程度の料金設定をしているビジネスホテルと比較すると、建物全体が非常に立派で、ところどころにびっくりするほど贅沢な部分もある。そして、客室はゆったりとしており、インテリアも洗練されている。要するに過剰投資なのだ。サービスについては特段優れているわけでもないが、それはビジネスホテルでも同じことなので、同じ料金でワンランク上の設備を使えるのなら、利用しない手は無い。

館内に入ると、そこは6階まで吹き抜けのアトリウムになっている。大理石をふんだんに使い、ブロンズ像をディスプレイして、さながら美術館のような雰囲気。アトリウムに面したエントランスとは別に、こぢんまりとしたエントランスも設けられているが、そちらは控えめな印象だった。フロントは、アトリウムから半階ほど階段を下りたところに位置している。フローリングの床とグリーンの大理石を用いた空間に、ソファなども配されている。

客室は7階から上層階にあり、シングル、ダブル、ツイン、和室などのバリエーションがある。エレベータホールや廊下もよくデザインされ、都会的だ。シングルには18平米のAタイプと、20平米のBタイプがあって、館内見取り図で見る限りでは、奥行きに差がある他には大きな違いはないようだ。今回利用したのは20平米のBタイプ。深いブルーのカーペットとマホガニーカラーの木目による濃厚な配色に、オフホワイトのソファや白いデュベカバー仕上げのベッドメイクがアクセントになっている。

ベッドは120センチ幅で、マットレスはシモンズ製。片側が壁に寄せられている。デスクは反対側の壁に面して置かれ、テレビと冷蔵庫は窓の並びに据えている。ソファは窓を背にして置かれ、丸いコーヒーテーブルを添えた。ユニークなのは、レースとドレープとは別に、シェード代わりの引き戸を設け、窓を完全に遮蔽できるようにしたこと。木目の引き戸をスイッチのように左右にスライドさせるだけで、部屋の雰囲気が変わって面白い。

バスルームは白いタイル張りのシンプルな空間だ。上部にだけ、ブルーのアクセントタイルを用いて変化をつけた。バスタブ長さは140センチと、ゆったりとまではいかないが、天井からのハロゲン光もあり、雰囲気はいい。だが、水の出が悪く、バスタブへの給湯にかなりの時間を要した。アメニティは、一通り揃うが面白みはない。

今回はちょっと奮発してBタイプを選んでみたが、結果から考えるとAタイプでも十分だったという感じ。手頃なプライスで、ビジネスホテルの水準よりは質感の高い空間を味わえるが、シティホテルのような機能や細かいサービスはないので、期待せず、単なるベッドルームとして利用すれば、不足のない滞在となるだろう。

 
20平米のシングルB 窓側から入口を見る 窓のスライディングドアがユニーク

ベッドはシモンズ バスタブ バスルーム

窓からの夜景 客室階廊下 エレベータホール

7階にある謎のラウンジ フロントカウンター アトリウムロビー

 
全国町村会館


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