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2005.11.27.(日)

横須賀プリンスホテル Twin Room
Yokosuka Prince Hotel
哀-2 冷たい花火
海岸からホテルを見る
横須賀プリンスホテルが2006年3月末で撤退することが決まり、プリンスでなくなる前に一度は滞在してみようと思い、用事もないのに横須賀まで出かけた。開業したのは1993年11月13日。横須賀芸術劇場とホテルを軸とした複合施設「ベイスクエアよこすか」にあり、丹下健三設計による建物は周囲でひときわ目を引く存在だ。オープン時には沢口靖子がテープカットをして盛り上げたものだが、その後、ホテルがそれ以上に輝く瞬間はついぞ訪れなかった。

ぱっとしない割に、宿泊料金の設定はいつも強気だった。一休ではツインが23,940円という設定。そんな調子だから、閑古鳥なのも無理はない。ホテルは京浜急行の汐入駅前に位置しているが、JR横須賀駅からは徒歩8分を要する。汐入駅からホテルに向かう場合、ホテル棟をぐるりと回りこんで反対側にあるエントランスを利用する。隣接する商業施設には100円ショップ、ゲームセンターが入居しており、道路を挟んだ向かいにあるダイエーはかなりの賑わいだった。

だが、ホテルのエントランスは小さく、気軽に出入りができる雰囲気ではないこともあって、ホテル内は血の気を失ったようにひっそりとしていた。オープンしてから12年の間に蓄積した倦怠感が随所に染み付いて、客からも精気を奪い取ってゆくかのよう。案内には駐車場優待サービスが5月で終了した旨が書かれており、ホテルには大きなボールルームもあるが、宴会出席者も駐車料金はそっくり取られるらしい。日本料理店は予約営業のみ。クリスマスにはディナーショーも予定されているが、そのパンフレットがチープで気の毒だった。

客室はロの字状に配置されおり、各辺には両脇のツインルームにシングルまたはダブルが2室挟まれる格好で、各フロアに16室がある。シングルとダブルは16平米で、ツインはその倍の32平米ということになっている。今回利用したツインルームからは、一応入り江が見える。

室内はベッドスペースとリビングスペースに分かれ、テレビの載ったデスクが中央の仕切り役を果たしている。ベッドは品川プリンスホテル並みに固く、寝心地は最悪だった。リビングスペースには、ロングソファとアームチェアが置かれるだけの、シンプルなインテリア。さっぱりしているというよりも、簡素すぎて物足りない感じだが、広さだけはゆったりとしている。窓は細長いが床からのものが4面、そして、ソファの脇にも小さな窓がひとつ付いている。

バスルームは赤坂プリンスホテルのものに良く似ている。アウトベイシンで、アメニティはプラスチック製の棚に、立てかけられるようにして収められている。真っ白なバスルームには、バスタブとトイレが並んでいる。

はるばる横須賀まで来て1泊しても、これといって心躍るようなことは何もなかったが、不発に終わった冷たい花火玉のようなホテルに、一日だけでも寄り添えたことは、いい経験になった。

2006年4月8日からは、330ホテルやR&Sホテルを手がけているリゾートソリューション株式会社により、「ホテルトリニティ横須賀」として再出発する。料飲は虎ノ門パストラルの株式会社パストラルが担当。客室やレストランを改装し、新たなスタートを切る。

テレビ台で仕切られた室内 ロングソファとエントランス

色味を抑えたインテリア 寝心地最悪ベッドの脇にも床からの窓

白一色のバスルーム アウトベイシン

印象的な外観 客室からの眺め

[ホテルトリニティ横須賀]

Y.K.