コンサートで会いましょう喜怒哀楽トップページへ20052004200320022001200019991998199719961995199419931992ホテル別インデックスレストラン別インデックス

2005.09.04.(日)

コンラッド東京 Executive City Suite
Conrad Tokyo
喜-4 きめ細やかさ
37階の廊下
散々だった前回の滞在から1ヶ月が経ったが、そのわずかな間にも様々な試行錯誤が行われたことが伺え、今回は充実したいい滞在となった。

タクシーでコンラッドに到着したのは昼過ぎだった。チェックインには早すぎるとわかっていたが、まずは荷物を預けて身軽になりたかった。少々入り組んだホテルアプローチは、タクシーの運転手にもわかりにくいようだったが、要所に係が立っており、適切に案内している。その仕草にも凛々しさが感じられた。

正面玄関では素晴らしい出迎えがあった。背の高いドアマンがタクシーの扉に手を添えると、「お帰りなさいませ、神田様」とすかさず声を掛ける。そのドアマンの顔に見覚えがあり、記憶をたどったが思い出せない。後にアシスタントマネージャーに、見事な出迎えの感想を伝えると共に、ドアマンについて尋ねたところ、かつてはオークラにいたと言う。そのドアマン自らが28階まで荷物を持って案内。颯爽とした振舞いにはパワーがみなぎり、つられてこちらも元気が沸いてくるほどだ。

28階ロビーではアシスタントマネージャーが待ち構えており、そのまま37階のエグゼクティブラウンジへと案内してくれた。ラウンジでは、まだ一度しか会ったことがないというのに、スタッフは最大限の親しみを込めた歓迎をしてくれる。とりわけ、台湾出身の小柄な女性が元気ハツラツで、まるで親友に10年ぶりに再会するような表情を見せてくれ、なんだかうれしくなってしまう。他のスタッフは、彼女と比較すると奥ゆかしく感じてしまうが、擦れたところがなく感じのよいサービスをする。

客室はまだ仕上がっていなかった。12時過ぎなのだから仕方がない。コーヒーを飲んでいるところに、アシスタントマネージャー自ら、清掃状況の説明をしに来た。あと1時間程度要するとのことだったので、外出してくることに。14時頃にラウンジに戻ったが、部屋は最終チェック中で、更に待つことになった。係は申し訳なさそうにしていたが、予定時間よりも早く到着したのはこちらの都合だし、規定のチェックイン時間よりもまだ早いので構わないと返答した。だが、そうして客を待たせることを申し訳なく思う気持ちは大切だと思う。

準備万端整った今回の客室は、ラウンジと同じ37階にあるシティスイート。37階は喫煙可能フロアだが、敢えて最上階を指定してあった。タバコの臭いを嫌うことを承知してか、念入りに消臭を行ったとのことで、臭いはまったく気にならなかった。なぜ37階を希望したかというと、天井高にかなりの差があり、その差から生じる開放感がどの程度のものなのか、実際に客室で実感してみたかったからだ。その他のフロアの天井高が3メートルなのに対し、37階は3メートル50センチ程度の高さがある。窓際に人が立つと、その上部に人の身長ほどの空間が見られ、相当天井が高いのだということがよくわかる。

客室の仕様は、最初に利用したガーデンスイートと同じだが、若干ホワイエ部分やベッドルームの幅が広いように感じられる。また、アクセントに添えられたクッションやベッドのスローケットなどが暖色系で、寒色系を用いたガーデンルームよりも室内配色のバランスがいい印象だ。ソファに囲まれたローテーブルには、桃とマカロンが用意されていたが、このマカロンはとてもいい味だった。

夜には東京に非常に激しい雨が降った。汐留周辺はさほどでもなかったが、窓から新宿方面を眺めると、まるで霧にかすんだように何も見えず、真っ白な靄全体が時折稲妻でストロボのように鮮烈な光を放っていた。打って変わって翌朝は見事に晴れ渡った。冬空のように澄んだ空気が都心を覆い、どのビルにも手が届きそうなくらい鮮明に見えていた。

朝食はエグゼクティブラウンジで。前回、ナプキンの上にカトラリーが載せられていて扱いに困ったことをマネージャーに伝えて帰ったが、今回は席に着くなり別のナプキンが運ばれてきて、すぐにコーヒーとオレンジジュースが出された。さわやかでいい雰囲気ではあったが、ブッフェ台に並ぶサラダの葉っぱがかなり傷んでいるのがとても残念だった。

滞在中、ほとんど問題には直面しなかったが、サービス体制が万全であることや、ゲストをサポートしようという積極的な意識が感じられたことで、安心して滞在することができた。宿泊料金が5万円を超えるような超高級ホテルでは、及第点をとればいいというような意識でサービスされては料金に見合わない。倍の料金を取るためには、3倍の価値を持たせるくらいの意気込みと実力が求められる。そういう意味では、コンラッドにも更に頑張ってもらいたいところだが、今回感じたきめ細やかさには、十分に心動かされるものがあった。

リビングルーム リビングのライティングデスク

リビングの窓方向を見る ベッドルームの窓方向を見る

ベッドルームからバスルームを見る ベッドルームとリビングルームの仕切り

2005.09.05.(月)
ゴードン・ラムゼイ at コンラッド東京 モダンフレンチ
Gordon Ramsay at Conrad Tokyo
哀-3 早くも平凡になってしまったのか
12時からの予約をかなり以前から取ってあり、親しい友人4人でテーブルを囲んだ。禁煙席をリクエストしてあったが、前回利用したのとまったく同じテーブル、すなわち、隣は喫煙席という境のテーブルだった。予約はアシスタントマネージャー経由で入れてあるので、どんな客なのかという情報は伝わっているはずだが、この店のマネージャーはよく理解していなかったらしい。

しかし、席に着いた後になって前回の顛末を思い出した様子。その前回の顛末というのはこういうことだった。予約の段階で「せっかくの料理がタバコの臭いで台無しになるのはいやだから、そういった心配のない席を」とリクエストしてあり、「かしこまりました」と了承していたにもかかわらず、案内されたテーブルに着くと、目の前1メートル程のテーブルでは、カップルがふたりで競うようにタバコをふかし、天井に吹き付けんばかりの勢いで煙を吐いていた。

そのテーブルを見ると、まだメインディッシュが半分程度残っており、料理をつまみ代わりにタバコを呑んでいるという状況。席に着いて環境状態を把握するまでほんの1秒。次の瞬間にマネージャーに軽く目配せをしたが、何を伝えたいのか理解されず、「は?」という表情だった。タバコを吸う仕草をして見せると、やっと「申し訳ございません。別の席を用意しましょうか?」と提案した。それが可能なら初めからすべきだし、難しいのなら予約の段階で断りを入れるべきだった。「満席なんでしょうから、この席で我慢しますけど、もう少しデリカシーのある気の遣い方があったのでは?」と言って辞退した。一度席に着いたのに移動するのは面倒くさいし、野暮な感じがして嫌なものだ。

そして、この日は禁煙席だけは大賑わい。対照的に喫煙席は結局1卓しか埋まらなかった。ならば、禁煙席を拡大したらいいのに。また、更によくないのは、注文が済んで、すでにオードブルも食べ終わった段階になって、「禁煙席にキャンセルが出ましたので、お席を移られますか?」と言ってきたこと。親切のつもりかもしれないが、無粋さの方が際立つ提案だと思う。食事をひとたび始めたなら、途中で雨漏りし始めても席など移りたくない。

ランチコースは5,500円と手頃だ。量が抑えられ、よく言えばとても上品に盛り付けられているが、勢いが感じられない。アミューズの連続という印象だった。味も、開店当時に比べると、もうすでに平凡に落ち着きつつある。ゴードン・ラムゼイその人の強烈な個性に匹敵する、繊細に見えてもどこかに暴力のようなパンチのある料理を期待しているのに。野生のトラが、近所の三毛猫のようになっていくようで極めて残念。サービスに関してはまったく印象がなかった。コースが安いのは結構だが、有料のミネラルウォーターをことわりもなく2本抜くというのにも、ちょっと調子に乗ってない?という気にさせられた。

食事の後は、ラウンジ「トゥエンティーエイト」でティータイム。大きな窓から浜離宮を見下ろし、高い天井とゆったりしたソファが贅沢な空間だ。デザイナーの意図で、余計な装飾のないシンプルなインテリアになっているが、ライブステージの周辺にはアンプやシールドなどが無造作に放置されており、せっかくのシンプルさをぶち壊している。ステージ周辺をぜひスッキリとさせて欲しい。

[コンラッド東京] 050710 050724

Y.K.