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2004.10.30.(土)

ホテルハマツ Twin Room
Hotel Hamatsu
楽-3 copy
堂々たるロビー
ホテルハマツは郡山の迎賓館と、地域の人なら誰しも認めるプレステージホテルだ。落ち着いた佇まいを見せる広いロビー、充実したレストランやヘルスクラブ、ゆったりとした客室を持ち、随所に和の落ち着きを織り込んだデザインは、まさにオークラのテイストを模して造られたことをうかがわせている。

これだけオークラにそっくりな造りをしているのだから、開業当時からオークラチェーンに属していたのかと思いきや、そうではなかった。開業は91年5月だが、オークラチェーンへの加盟は94年6月と、3年の遅れを取っている。そして、経営上の様々な困難を経て、この秋には突然のオークラチェーン脱退劇があり、その心安らぐ館内の居心地とは裏腹に、舞台裏では火種が尽きないようだ。

ホテルステイそのものには、そうしたごたごたの影響がほとんど及んでいないのは結構なことだった。だが、10月半ばになってから、9月末に遡ってオークラチェーンを脱退したため、10月に宿泊した一部のゲストには、宿泊時に一旦加算したポイントを後日取り消すといったこともあったようだ。また、旧ハマツの発行した金券を使えないといったトラブルもあるようだった。

エントランスには女性のドアパーソンが立ち、颯爽と出迎えてくれた。立派なロビーは生花が飾られ、格式を感じさせる。フロントはロビーの片隅に小ぢんまりと構えており、充実したバンケット設備や広いパブリックスペースを持っていても、宿泊はわずか90室の控えめな規模であることをうかがわせていた。タイミングがよかったのか、エレベータホール前には、介添人らしき和服の女性が立ち恭しく迎えてくれるなど、ちょっとした旅館のような雰囲気が感じられた。

客室は30平米程度のツインルーム。白木の家具に、ブルーのチェック柄のベッドスプレッドというコンビネーションは、神戸のオークラにそっくりだ。郡山の古い裏通りの街並みを見下ろす窓は、パワーカーテンが掛かる。シッティングスペースには、カウチ風ソファとアームチェアが置かれ、くつろいだ雰囲気。ベッドはやや硬いが、丁寧にセットされていた。カーペットと壁紙には傷みや汚れが目立つ。テレビにはビデオデッキが内蔵されるが、プログラム自体は充実していない。デスクは広く、鏡が大きいのがいい。

バスルームはタイル仕上げで、ベイシン部分まではカーペット敷き。アメニティはそれぞれ個別のパッケージに納められ、持ち帰り可能な渋いポーチには、化粧品などこまごまとしたものが用意されていた。タオルには美しい刺繍が施されたものもあり、肌触りもいい。ホーローのバスタブに、サーモスタット付きのシャワーというしっかりとした造りのバスルームだった。

到着時に非常に印象がよかったホテルスタッフだが、その後に接した若い係は総じて感じが悪かった。ゲストの要望に応えるとか、ゲストの役に立とうという気持ちがまったく感じられず、自分のペースにゲストを引きずりこもうとするような場面が多く、辟易してしまった。社会に出たことのない我侭娘を大量に採用してしまったのだろうか。だが、バンケットのスタッフはよく連携が取れており、感じがよかった。

ゆとりあるツインルーム 家具はとても立派だ

ベッド カウチを置いたシッティングスペース

清潔感のあるバスルーム アメニティ

フロント ロビーには生花が飾られる

[ホテルハマツ]

Y.K.