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2004.04.11.(日)

ダイヤモンドホテル Twin Room
Diamond Hotel
楽-2 最初で最後の本館ステイ
夜の外観
5月末で閉館が決まっているダイヤモンドホテルの本館に初めて宿泊した。本館とアネックスを合わせて500室と宴会場や各種レストランを擁する規模のホテルだったが、6月以降はアネックスに絞り込んでビジネスホテルとして再出発をする。

一番町という由緒正しき土地に建ち、閑静な周辺環境に恵まれているが、地下鉄半蔵門駅と直結しており、雨でも濡れずにアクセスできる数少ないホテルのひとつという魅力もあった。周辺には緑も多く、洒落た外観はひときわ目を引いていた。

古い映画館で見たような木製の自動ドアを抜けてメインロビーに入ると、柱を巧みに利用した真っ赤なラウンドチェアを中心にした空間が、思いのほか広々と感じられる。一角にはロビーラウンジがあり、その脇には大きなクマのぬいぐるみがピアノに向かっている。フロントカウンターは、半蔵門駅方面に向かう通路に面してこぢんまりと設置されている。一応ベルボーイも1名だけ待機していたが、進んで荷物を持ってくれることはなかった。フロントの対応はベーシックなものだった。

自ら客室へ向かう途中で通った廊下では、客室係が清掃に追われていた。見れば高齢の人たちがほとんど。ここが閉館したらこの人たちの生活はどうなってしまうのだろうと心配になった。廊下は薄暗く、なぜか遠くへ来たなぁという気分にさせられる。客室扉にルームキーを挿すが、なかなかスムーズにいかない。この辺も微妙にノスタルジック。扉の内側にも内鍵やドアスコープのない古いタイプだ。

客室内は想像していたよりも広くて傷みも少なかった。ベッドは125センチ幅が2台入るが、まくらは低いものがひとつだけ。冷蔵庫は引き抜き式だが、持ち込んだものを一切入れる場所がないのは今時不便で仕方がない。また、バゲージ台がないのも困った。デスクにはテレビとお茶のセットが堂々と置かれ、デスクとしての役割は二の次になっている。窓際にはふたつのアームチェアがあり、窓の外には手入れの悪い庭が見える。窓は開閉可能だがひどく汚れていた。照明はすべて独立しているが調光は不可能。テレビプログラムは退屈で、ムービープラスですら1,470円と高額だった。湯のみとグラスは、客室にアンバランスな立派な品物だった。

クローゼットは非常に狭く、ハンガーを数本掛けたらもう一杯。このホテルには中国からの旅行客が多く滞在する。それなりに荷物もおおかろうに、収納が少なくてさぞ不便だったことだろう。クローゼットには引き出物を入れるような大きくて立派なショッピングバッグがあったので、最後の宿泊記念にもらってきた。

バスルームは広いが暗い。92年に泊まった横浜のアスターホテルを思い出した。そういえばあちらも中国系の経営だったはず。なにか共通点があるのもうなずける。タイル張りでそれなりに立派な印象。特にバスタブに備わったサーモスタットつきのカランは便利だった。便座には洗浄機能は備わっていない。

全体的に80年代風のパステル調インテリアだが、随所に真鍮などの輝く素材を使っているところがやはり中国風だ。その傾向はパブリックスペースに顕著だった。ユニークな建物だけに、消え去るのが惜しい。

昼食にアネックスにあるレストラン「プルメリア」を利用した。さくらランチというのがあって2,660円。コーンスープ、サラダ、パン、ローストビーフ、コーヒーという内容だが、どれも冷凍食品かインスタント風で、せいぜい1,000円程度の価値。バケットは切り口が乾いて硬くなっていた。暇なのだから、その都度切り分ければいいのに。サラダは新鮮で、盛り付けにも注意が払われておいしかった。昔ながらのスタイルをとっている店だが、もう少し巷の様子を勉強した方がいい。この店は、6月以降も存続する。

洒落た外観 メインエントランス

ロビーラウンジ ロビーからロビーラウンジを見る

玄関脇のフロントカウンター ラウンドチェア

ツインルーム 125センチ幅のベッド

アームチェア デスク周辺

ベイシン バスタブ

冷蔵庫 窓から見下ろす庭園

[ダイヤモンドホテル]

Y.K.