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2003年12月24日

東京プリンスホテル Twin Room A type
哀-2 エキゾチックな東京
エレベータホールのクリスマスリース
狭いタイプのツインBを予約してあったが、チェックインの際に禁煙室を希望すると、Aタイプにアップグレードされた。ドアマン、フロント、ベルアテンダントと、連携もよく好印象だった。クリスマスイブだというのに、くたびれた客室に一人ぽつりと佇むのも寂しいかと思ったりしたが、これがパークハイアットやフォーシーズンズだったら、一層情けない気分になり、誰かを誘い出していたかもしれない。東京プリンスだからこそ、一人静かに過ごせたという考え方もある。

今年も幾多のクリスマスイルミネーションを見てきたが、おそらくは今夜が見納めだろうと、窓の外を覗いてみた。都会の夜景と、ホテルの敷地に広がる電飾が、華やかさを競い合っているかのようだった。エレベータホールに飾られた手作り風のリースは、どこか家庭的な温かさを感じさせる。裏手の東京タワーもまたこの日だけのおしゃれをしていた。

レストランはどこもクリスマス仕様だったので、おとなしくルームサービスを取ることにした。チャーハンセット2,000円と酢豚1,200円の晩餐会。思ったよりも迅速に運ばれてきたが、近所の出前中華並みに色気のない届け方だった。皿にはラップがかぶさっており、係はそれを外すこともしてくれなかった。器もひどく安物で、悪く言えば犬のエサみたいだった。見た目のみならず味もぱっとしなかった。空いた皿はワゴンごと廊下に出すよう言われ、下げに来る気はない様子。これでサービス料15パーセントとはどういうつもりだろう。それに値するものは何一つなかった。

旧型のテレビはとうに引退時期を過ぎて、音声が割れてよく聞き取れない。インテリアも食事も冴えないので、なんだか中国の田舎にでも来たような、エキゾチックな気分だった。深夜に非常扉を開けておしゃべりに興じるオバサン軍団というのにも、生まれて初めて遭遇した。内扉を閉じても、ドアの隙間から廊下の音がよく聞こえてくる。

チェックアウト時、カウンターは混雑していた。短い行列もできていたが、フロンットの様子には驚いた。狭いカウンターを挟んで、ゲストも係も肩が触れんばかりにひしめきあって手続きをしている。それはバーゲン会場のレジのような雰囲気だった。強行手段のお陰で、行列は少なくて済んでいるが、優雅さを根こそぎ犠牲にして、実だけを残しているところが、プリンスの象徴のようにも感じられた。

更に、フロントで頼みごとをした時のこと。係は「後ろでお掛けになってお待ちください」と反射的に言うが、ソファは人で埋まっており、座りたくても座れなかった。親切のつもりだろうが、ちょっと目をやってから言葉にして欲しいものだ。駐車場はチェックアウト後は13時までが無料。以降は別料金となる。

室内の様子 アームチェア

バスタブ 年季の入ったカラン

アメニティ ベイシンとトイレ

2003年12月25日 昼
東京プリンスホテル 「グリルキッチン」
喜-2 フルオープンキッチン
クリスマスとは言え、ウィークデーの昼時とあって、どの店もビジネスパーソンで賑わっていた。「グリルキッチン」は厨房をカウンターで囲み、シェフが腕を振るう様子を眺めつつ食事が楽しめる店だ。すべてがカウンター席で、注文を取るのも、皿を出し下げするのも、コーヒーを出すのも調理人の仕事。会計だけは別に係がいる。どの席からも調理する姿が見え、逃げ場がない。妙なものを入れられる心配もなく、自分の食べるものが出来上がってくところを目で確認できる。

店には窓がなく、ステンレスがむき出しのインテリアは、やもすると霊安室のように冷たい空間となってしまう。そこに躍動感を与えているのも調理人のパフォーマンスだった。しかし、調理人は目立ちたがり屋ではなく、むしろシャイなキャラが揃っている様子。いささか神経質になって、仕事がしにくいように見受けられた。

[東京プリンスホテル] 000316 030621

Y.K.