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2003年10月31日

グランドハイアット東京 Grand Room
楽-4 惑いの森
湯が流れ出す安らぎのバスタブ
六本木ヒルズの人出にはいつも驚くばかりだが、グランドオープンから半年が経ったグランドハイアットには、心なしかゆとりが見えるようになってきた。スタッフたちも尋常ではない混雑に心身ともにすり減らしているに違いないが、疲れを感じさせない爽やかなサービスをするスタッフに接する機会があり、とてもいい印象を受けた。かと思えばそれを台無しにするような心ない振る舞いしか出来ない者も一部ながらいる。東京新名所にある最新ホテルは、接するスタッフによって印象が180度違ってしまう、惑いの森のようだった。

チェックインを担当した女性スタッフは優秀だった。混雑するでもなく、落ち着いたフロントカウンターでは、とても丁寧なサービスで手続きが行われた。レジストレーションカードに住所を記入すると、自分もその近所から通っているという話題を投げかけ、ゲストと積極的に会話をする心がけが感じられた。この時ベルが出払っていたので、案内を断って自ら先に客室へ向かった。荷物は後に届けられたが、随分と時間を要した。

客室は17階だったが、森タワーが目の前にそびえる向きのため、視界はかなりふさがれている感じだった。わずかに開けた隙間から、東京タワーの全景が望めるのが印象的だった。開業当時に比べると、室内設備のマニュアルやヒルズのギフトカタログを常備するなど工夫を感じさせる一方で、早くもルームサービスメニューが値上げされたり、アメニティが一部簡素化されるなどの後退も見られた。清掃はほぼ行き届いているが、タオルの数枚に髪の毛がからまっていた。また、スタイリッシュなベイシンは、排水が悪く使いにくい。

シンプルな寝具は、フレッテのシーツを使い、軽やかで肌触りがよく快眠できる。その他、設備としては非常によく吟味されており、多くの部分で群を抜く快適さを与えてくれる。しかし、パークハイアットと肩を並べるほどの高価格であることを考えると、コストパフォーマンスが優れているとは言えない。とりわけ駐車場代の2,000円が高く感じる。

また、数々の場面で人手不足を印象付けられた。これほどのホテルであれば、必要な頭数くらいは揃えてもらいたいものだ。チェックイン時はゆとりがあったので丁寧なサービスが心地よかったが、チェックアウト時には列を作らされ待った挙句に度を越した丁寧さでサービスされ、逆にイライラした。この状況下でバカ丁寧の必要はない。適切な濃度のサービスを提供できるように、場や空気を読める能力を身に付けるべきだろう。

フレッテのリネンが肌に心地よい 窓のすぐ外にはオフィス棟がそびえる

実際はもっと近くに感じる東京タワー DVDも備える

洒落たメモ用紙立て ヘルスメーター

ぎっしり入った冷蔵庫 お茶やインスタントコーヒーが用意されている

バスルームの入口はすりガラス クローゼットはベイシンの後ろにある

バスタブやシャワースペースとベイシンはガラスで仕切られている 丸いミラー

拡大鏡もモダンなデザイン このベイシンは使いにくいから嫌い

レインシャワー シャワーのカラン

客室階廊下 エレベータホールのコンソール

エレベータホール こちらもエレベータホール

水のオブジェ 照明効果も高いロビー

宴会場ロビー 宴会場ロビー

2003年10月31日 夜
グランドハイアット東京 「フィオレンティーナ」
楽-3 1分の意味
夜10時過ぎ。軽い食事をしようと出向くと、店先で禁煙・喫煙の希望を聞かれたので、禁煙を希望した。すると禁煙席は満席で、喫煙席ならすぐに案内できると言われた。禁煙席だとどのくらい待つのかを尋ねると、1分くらいだと言う。1分というのが禁煙の希望を犠牲にして喫煙席に落ち着くに値するほどの時間だろうかと不思議に思った。

しかし実際に店内に入ると、かなりの空席があった。その後も食事を終えたゲストが席を立つ一方で、店は閑散としてゆくばかりだった。カジュアルなインテリアだが天井が高く開放的。テーブルにクロスは掛かっていないが、布のナプキンが添えられている。コースメニューは4,800円とか6,000円など立派な値段だが、アラカルトは千円台も数多くあり手頃。一方でグラスワインは1,000円以上で、ソフトドリンクも含め飲み物が高い。

アラカルトで数品を注文したら、パンが出され、おかわりもすすめられた。料理の味はなかなかだが、提供の時間にばらつきがある。大きいサイズで味もよいピッツァはすぐに運ばれてきたが、パスタはやたらと時間を要した。途中で気遣ってフォローが入り、帰り際にも詫びの言葉が添えられた。その点は立派だが、言葉づかいは不思議だった。ホテルのスタッフから「おまたせしっちゃって〜」みたいな表現をされるとは・・・。六本木テイストだろうか。

2003年11月1日 昼
グランドハイアット東京 「フレンチキッチン」
哀-4 15分の意味
12:30の予約を入れようとしたら取ってもらえなかった。12:15ならOKだと言うのその時間に予約を入れ、予定通りに店に出向いた。案内されたテーブルは、オープンキッチンに近い半円状のブース席だった。半円のベンチシートには、夥しいパン屑が落ちているだけでなく、なにやらベトベトなものがたれている。更に卓上にまでパン屑が散乱している。

案内係に掃除をしていないのかと尋ねると、「一応しています」という返事。このような意識でサービス料を加算するとはけしからんことだ。おそらく日々様々な無礼が繰り返されているだろうと想像されるが、利用客がそれを黙って見逃しているのか、あるいはそれを無礼と気付くセンスすら持たない客しか来ないか、いずれにしても客の方が店の現状を許してしまっているから、成長がないのではないかと思う。

以前は中央のテーブルには白いクロスが掛かっていたが、それも外されてしまった。布がつくるやわらかい雰囲気がなくなったのも残念だが、店が一層安っぽく見えるようになってしまった。そして、不潔なテーブルにカトラリーが直に置かれるのは耐え難い。しかも、ナイフなどは刃先がテーブルに当たるような置き方をする。カトラリーの扱い方も知らないスタッフが気取ったサービスをするのは、我慢ならないほどに不快だ。更に、汚れたナイフをセットされることもあった。

4,800円のハピネスコースを注文した。アミューズ、オードブル、スープ、メイン、デザート、コーヒー、小菓子という内容。オードブルのアボカドとカニとナスを使ったミルフィーユ仕立ては、まったく味がなくおいしくない。バルサミコ酢を使っていることになっているが、その風味すら感じられない。ダブルコンソメにはエグ味があった。メインのスズキはふっくらと仕上がっているが、皮もふにゃりとしており、やや締りのない印象。添えられたアーティチョークのピュレときのこのソテーは素晴らしかった。パンのおかわりは言わずとも持ってきてくれたが、コーヒーは催促するまですすめられることはなかった。

予約の時間を限定されたので、それ相当に賑わっているのかと思いきや、席を立つまで閑散としたままだった。なぜ希望の時間を曲げる必要があったのか。まったく理解できなかった。

[グランドハイアット東京] 030502

Y.K.