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2002年4月22日 夜
アクアガーデンレストラン「ネプシス」渋谷
哀-3 不気味な笑顔
とにかく貸切の多い店だ。というよりも、貸切の入っていない日に片手間に一般営業をしていると言ったほうがいいかもしれない。まぁ、それだけ貸切のニーズがあって人気を博しているのは、素晴らしいことだと思うが、行きたいと思って予約の電話を入れるたびに、ことごとく「貸切です」と断られると、気持ちはなえてしまうものだ。

この「ネプシス」は、もともとフィットネスクラブだった建物をレストランとして営業しており、空間の使い方の贅沢さといったら、なかなか他に類を見ないほどである。かつてのフロントは単なる受付カウンターに、更衣室は貸しきり営業時の控え室に、そして、プールサイドをダイニングにしてしまった。しかも、プールの水はそのままに、周囲にダニエル・オスト氏プロデュースによる見事な植物が訪れた人々を魅了しており、この空間デザインを目にするだけでもこの店を訪れる価値はある。

料理は想像以上においしかった。ワゴンで運ばれてくるデザートの質も高い。しかし、これだけの仕掛けと料理でまわりをかためても、どこか満たされないまま。その原因の多くはサービスの質にある。貸し切りのこなし仕事に慣れきってしまっているのだろう、個々のテーブルに真心を込めて、精一杯のサービスをしようという心構えが微塵も見受けられない。また、せっかくの料理も提供の間が開きすぎては興ざめしてしまう。入店してアミューズがでるまでに30分、その後も30分に一品のペースだった。催促しても、薄気味悪い笑顔を浮かべて「お待ちください、スイマセ〜ン。ハイ」などという返事をする。バカにしているのか。料理の説明も、ゲストを無知と決め込んだ、慇懃無礼なもの。空間は素晴らしいが、何とも心ときめかせるもののない店。晴れの日の店としては使えない。

Y.K.