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2002年3月1日

ホテル横浜開洋亭 Standard Room
楽-2 鎮守の森に囲まれたホテル
ベッド
ホテル横浜開洋亭は、みなとみらいを見下ろす丘の上に建っている。桜木町の駅から徒歩で向かうのなら、石畳の紅葉坂を上がる途中で振り返ってみると、自分がここに暮らす人々のように、横浜の街並みに溶け込んだ気分になれる、そんな眺めが目に入ってくるだろう。坂を上がりきると、石をふんだんに張ったの開洋亭ホテル棟が見えてくる。このホテルは、伊勢山皇大神宮の付帯施設的な役割を担っており、ブライダル事業を中心に据えている。

そのため、60室という客室数の割に、建物全体のスケールは大きく、ロビーなども広々としている。続く大神宮との間には豊かな緑が広がり、日本庭園もまた手入れが行き届き素晴らしい。ホテルの周辺を散策してみると、敷地自体が起伏のある場所にあるため、小道や坂がたくさんあり、散歩にはうってつけだ。こうした環境を楽しむだけでも、十分に価値のあるホテルだといえる。

今回利用した客室は、みなとみらい側のスタンダードルーム。32平米の面積があるが、バスルームにゆとりがあることを考えると、より広いような印象を受けた。120センチ幅のベッドが2台入っても、十分ゆったりとしている。窓の外にはバルコニーがあって、自由に出ることができる。バルコニーからは、正面のみなとみらいはもちろん、左右にも視界が開け、180度のパノラマを楽しめる。室内は、この3月3日で開業12周年を迎えるだけあって、ややくたびれた感が否めない。特に壁紙などはそろそろ改修が必要だろう。また、空調設備の音が大きく、眠っている間に結構気になった。

目新しい点といえば、浴衣のほかにもうひとつ室内着が用意されていたり、ユニークなお茶があったりと、ここならではの工夫が見られる他、バスルームはある意味独特な造りをしている。トイレ、ベイシン、洗い場付き浴室がすべて独立している造りは、ホテルのバスルームというより、マンションの浴室として見かけるタイプのもので、ファミリーなどには使いやすいだろう。バスルームの総面積は5,74平米あった。

ちょっと困ったのは、室内に鏡が少ないことだった。デスクとベイシンにそれぞれ鏡があるが、どちらも姿見の役は果たせない小ぶりのもの。またいずれも鏡の前にベイシンやデスクがあるので、鏡に十分近づきたくても近づけない。披露宴に出席する人々の身支度を考えても、姿見は必要ではないかと思う。

今回は港正面の客室を利用したが、その他に建物両サイドにも同じタイプの客室があって、違いは眺めのみだが料金には差がある。正面の眺めは確かに魅力的だが、両サイドからの眺めも、十分に開けており、夜景としても申し分のない景観を楽しめるので、よりリーズナブルに利用するなら、両サイドでも満足できるのではないかと思う。また、スーペリア、デラックスというタイプもあるが、その設備や面積の差より、価格差の方が大きいような気がするので、予算によほどの余裕があるのでなければあまりおすすめできない。和室は、和室専用フロアにあるので、独特の雰囲気を味わうことができるようだ。

フロント係の対応は、丁寧ではあるがやや暗かった。係が暗いだけで、例えば広いロビーがガランとした殺風景な空間に変わってしまう。もう少し明るく引き締まった仕事振りで、笑顔のひとつも見せて欲しいところ。ベルサービスは行なっていない様子。ランドリーはないが、ルームサービスは朝8時半から夜11時半まで。しかしコーヒー1,000円と高額。

外観 バルコニーからの眺め

庭園から見るホテル 客室からの眺め

室内 デスクとテレビ

室内着 お茶

ベイシン アメニティ バス

2002年3月2日 朝
ホテル横浜開洋亭 鉄板焼「おてっぽ」
楽-2 鉄板焼店でのブレックファスト
朝食は鉄板焼店で提供されている。和洋いずれの用意もあるが、朝食券の場合は、チェックイン時にあらかじめどちらかを選択するよう求められる。料金は1,500円だ。今回は和朝食を選択した。店に入ると、ちょうどみなとみらい方面が眺められる窓際のいい席に案内された。料理が運ばれてくる間、店の中を眺めてみたが、鉄板焼のカウンターが店の内側の壁に向けて設置されているのは、もったいないと思った。せっかくなら、シェフの腕前と夜景の両方を楽しみたいもの。運ばれてきた朝食は、旅館の朝食を思わせる賑やかなもの。内容は値段相応だが、大きめの器をたくさんつかい、見た目に楽しい和膳だった。サービスに当たる初老の給仕と若い給仕は、どちらも感じがよく、なかなか手際もよかった。ちょっとした老舗ムードを感じられた。

[ホテル横浜開洋亭] 神奈川県横浜市西区宮崎町58-1 TEL:045-243-1122

Y.K.