1999.08.29
安かろう悪かろう
「ザ・テラス」ウェスティンホテル東京
哀-2

渋谷で髪の毛を切ったあと、軽く食事をするため、比較的近いウエスティンに向かうことにした。昼がフレンチだったので、今回は気軽に利用できる「ザ・テラス」を選んだ。ここは、日曜日のディナータイムはいつも混み合っているが、この日は想像していたよりは混雑しておらず、すぐに席につくことができた。

席は窓に一番近いテラスに面したセクションだったが、すぐ横に下げた皿などを溜めるステーションがあり、なんとなくバックヤードに半身を突っ込んだような環境で落ち着きに欠けていたのが残念だった。また、照明が暗く卓上が美しく見えない。オイルランプが置かれているものの、輝度に欠け、気は心程度の効果しかなかった。

メニューはビュッフェの他に、豊富なアラカルトが用意されており、ローカロリーメニューやハーフポーションなど、さすが国際ホテルだと思わせる工夫に満ちた、楽しいものだ。そして、価格が非常に手頃かつ適正でよい。サービスはテキパキとしており総じて好感を持てるものだが、今回は手落ちが多かった。

料理の提供にも非常に時間が掛かるばかりでなく、連れとのタイミングにずれがあり過ぎて、例えば一方のメインディッシュがそろそろ食べ終わろうという頃なのに、もう一方の前菜がやっと提供されたばかりという状態だった。追加で注文したコーヒーも結局忘れ去られ、再度声を掛けようにも近くにだれもいない時間が長く続いた。

連れが頼んだコーヒーのおかわりは、我々が入店した時から一向に減ることのなかったデカンタから注ぎ足され、案の定ひどく煮詰まっていた。また、退店時、テーブルセッティングや片付けをしている従業員のそばを通りかかっても「ありがとうございました」と声を掛ける従業員がいないのには驚きだった。これでは安かろう悪かろうの域をでることはない。

1999.09.01
豆かん
「梅むら」浅草
喜-4

浅草寺にお参りした帰りには「梅むら」の豆かんをおみやげに頼まれることが多い。一度お持ちするとまた次もぜひということに必ずなってしまう。それほどに「梅むら」の豆かんはくせになるのだ。浅草寺の裏手から言問通りを渡って、大通りから一筋奥に入った所にある小さな甘味処なのだが、いつも多くのお客で賑わっている。数席のカウンターと座敷の2テーブルしかないのだから無理もない。待つのは覚悟で出掛けた方がいいし、売り切れも覚悟しなければならない。

この日は豆かん10個にあんみつとところてんを2個ずつおみやげに包んでもらった。小売店のように出来合いをただ袋に詰めるのとはわけが違う。注文を受けてからひとつひとつ容器に作っていく。それを待つ間、座敷で氷あずきをいただいた。夏の暑い日にはこれがまた何ともおいしい。非常に木目細かく柔らかな感触の氷の底には、ふっくらとした豆がたっぷりと入っている。べとつかず甘すぎず、むしろ豆本来の酸味なども楽しめる逸品だ。

Y.K.