1998.12.23
ベルの仕事はカメラマン
ウェスティンホテル東京 Executive Club Room
怒-2

クリスマスを目前にしたウェスティン東京には、毎年話題になる大きなクリスマスツリーがロビー正面にディスプレイされ、行き交う人々の目を楽しませてくれる。ゴージャスなこのホテルのロビーにぴったりのとても華やかなツリーだが、どことなくぬくもりを感じさせ気持ちをあたたかくしてくれる。

ツリーの前で記念撮影をするゲストも多く、ベルデスクではインスタントカメラの即売コーナーまで設けて、ニーズに応えている。ところが、荷物を扱ってもらおうにも、肝心のベルはみなツリーをバックに記念撮影をするゲストに借り出されて、だれも荷物を運んでくれない。これは困ったものだ。本業を忘れないで欲しい。

チェックインをしにフロントカウンターに行くと行列ができていた。さすがこの時期は混むのかなと思いきや、単に担当しているのが2人だけだったから、手続きが滞っていただけだった。エグゼクティブクラブのチェックインには別のカウンターが用意されているが、そこには係りがいなかった。それでも、そのカウンターの前で待っていると、「チェックインはこちらにお並びください。」といわれたので、はっきり「いやです」と答えた。

少々待たされているあいだに他の従業員の様子を見ていたが、他の作業をしているフロント係が4人いた。彼女らはなぜ客を待たせてまでチェックインを担当できないのか不思議でしょうがない。チェックインより優先順位の高い仕事があるのなら、見えないところでやるべきだ。

ところが、その係のうちひとりが、画面を見ながらしていた作業を中断して、チェックイン手続きをしにこちらのカウンターへやってきた。それが可能なら、客の顔を見たらすぐに作業を中断して手続きをしないのだろう。

救いだったのは、客室へ案内してくれたベルマンの感じが非常に良かったことだ。マネージャーに耳打ちされたのか、今回だけでなく、前回に起こった非礼についても詫びていた。客室の状況も良好で快適だったが、バスルームの床の大理石が一部鋭く割れていて、素足で歩く時に傷が付いてしまった。最近、クローゼット内にアイロン台とアイロンが設置されるようになり、自分でちょっとしたアイロン掛けができて便利だ。

エグゼクティブクラブの特典は、朝食、イブニングカクテル、スポーツクラブの利用、市内通話無料、ミネラルウォーターとカセットコーヒーが無料になることくらいで、客室そのものはまったく同じだ。特にありがたいのは市内通話無料サービスだ。おかげで、滞在中インターネットつなぎ放題。

スポーツクラブはホテル内ではなく、地下道を経由して別の建物にある「クラブアットエビスガーデン」を利用する。なかなか充実した施設で、スタッフの対応も気持ちがいい。イブニングカクテルは専用ラウンジがないので、1階「ザ・バー」か22階「コンパスローズ」で。ところが、それ用のチケットを出すと、うんざりしたような顔をするバーテンダーがいるので不愉快な場合もある。

朝食は22階の「ビクターズ」で提供するが、これはなかなか内容が充実したブッフェで、店内の雰囲気も良く朝からいいスタートが切れる。しかし、ここのところ内容がチープになりつつあるような気がする。

チェックアウト時、ぼくの荷物を運んでいたベルマンが、別の客に呼び止められ、その客の対応を延々とはじめてしまった。別のサービスに当たっているベルマンに用事を頼む客も客だが、ぼくの荷物をカートごと放ったらかしにして、その客の用件のためにどこかに行ってしまったのには呆れた。頭に来て自分でそのカートを正面玄関まで運んだが、途中誰一人手を貸そうとはしなかった。さすがウェスティン。

Y.K.