1997.10.25
シティ未満、ビジネス以上
ホテルエドモント Sutandard Room
楽-1

「エドモント」というネーミングの由来は「江戸」の「山の手」に位置するホテルだからとのウワサを聞いたがどうも本当らしい。JRがホテルメトロポリタンとともに手がけたシティホテルで1985年6月にオープン。、飯田橋の駅から徒歩5分ほどの場所に位置しているが、表通りからは少し入ったところにあるので、意外と静かな環境だ。

宿泊用のエントランスはとても小ぢんまりとしていて、ドアマンがいるにはいるけれど、要領を得ない警備員風のおじさんが立っている。ロビーは最近のホテルの傾向からすると暗く、一昔前の雰囲気がある。ロビー中央にロビーラウンジがあり、なんとなくレトロな感じが漂っている。

客室はやや狭いが、思ったよりも窓が大きく、西からの日差しが強く差し込んで温かかった。グリーンとベージュを基調としたインテリアは、開業当時は爽やかなイメージだったかもしれないが、年月を経て少々くたびれ気味だ。ベッドスプレッドや絨毯には、染みやタバコの焼け焦げが目立つ。

バスルームは狭く、何といっても暗い印象だった。シャンプー類は壁掛けのディスペンサー仕様で、ハンドソープも大き目の容器に入ったリキッドソープが用意されている。固形の石鹸を希望する場合は客室係に申し出るようにとの案内書きがあった。このあたりにもコストダウンの工夫が感じられるが、それほど安い宿泊料金を提示しているわけでもないので、浮いたお金はどこへ行くのかと不思議に思った。

1階にフレンチレストラン「フォーグレイン」はホテルのクラスに似合わず、なかなか優れた料理を提供する名店として名高いが、未だかつて訪れる機会に恵まれず、残念ながら今回も利用できなかった。次回はぜひ利用してみたい。食事を取る時間が半端な時間帯だったので、コーヒーショップを利用したが、なかなかキッチュなインテリアの店。12年前にオープンした店なのに、30年くらいタイムスリップしてさかのぼった気分になるのだから、開業当時からキッチュだったのかもしれない。

料理はカレーブッフェのみしかなく、少々困ったなと思ったが、あまりの安さなので試してみることにした。味はご想像にお任せするが、値段を考えればコストパフォーマンスには優れていると思う。とにかくお腹一杯にしたいという若いビジネスマンにはありがたいだろう。

全体に、シティーホテルと呼ぶにはやや不足を感じさせる部分があり、ビジネスホテルとして考えれば、とても充実したよいホテルだという見方ができる。実際にはシングルルームの割合が大きく、ビジネスマンにターゲットを絞っているように感じられるので、アップグレードなビジネスホテルと考えるのが妥当だと思った。風変わりな雰囲気を楽しめたので「楽」とした。

Y.K.