1997.01.27
大階段
リストランテ「マニン」神宮前
喜-5

外から眺めただけではこの店がこれほどの名店で、これほど贅沢な空間を持っているとは想像もつかないだろう。今をときめくTOKYOを代表する大人のリストランテ。この日はぼくたちの4人で貸し切りだったが、普段はミュージシャンやエグゼクティブで賑わっている。

高い天井に落ち着いたトーンの都会的なインテリアもさることながら、素晴らしい料理を出す。アルバムに見立てたワインリストもユニークで豊富な品揃え。ただ、サービスについては好みに合わないと感じる人もいるだろう。従業員の平均年齢が高く、普段からレストラン慣れした客をもてなしているからだろう、つかずはなれず控えめなサービスだが、必要なときにはタイミング良く近寄ってくる。

この日の料理のスタートは冷製アンティパストの盛り合わせ。手の込んだ一口サイズの品が8種盛り合わされている。続く温製アンティパストはアイナメのポワレ。魚料理の一皿としてでも十分に通用する力強さで、添えられた手長海老は大ぶりで身がきゅっと引き締まっている上物。

パスタにはボローニャミートソースのタリアテッレと菜の花をオリーブオイルでさっと絡めたスパゲッティの2品が目の前で仕上げられる。メインには牛ヒレのポワレ、バルサミコビネガーのソース。調理時間が最適で温度、状態とも申し分なし。良い素材と適切な調理で、いつも安定した品質の食事を楽しめる。

Y.K.