1997.01.26
冒険という名のレストラン
「ラバンチュール」ロイヤルパークホテル
楽-4

店の入り口に大きなトラの剥製があって店のシンボルになっていたが、動物をこよなく愛する人々からお言葉があって、少々店内の奥の方へ引っ込んでしまった。威風堂々として店の守護神のようだったが、今では肩身が狭そうにしており、どことなく寂しそうに見える。

トラはかわいそうだが、店は絶好調だ。7年前にテーマレストランなるものが日本のホテルには無かったころ、この店のオープンはセンセーショナルだった。「冒険」をテーマに、各国の料理を確かな料理法で日本人の味覚にあわせつつもオリジナルの味わいを活かした料理をリーズナブルに提供し続けてきた。店内のインテリアもサファリ調で遊び心にあふれており、さながら食の世界旅行だ。

ここでは、アラカルトで数品を注文し、気のおけない仲間同士でシェアして食べるのがふさわしい。また、季節ごとに繰り広げられるフェアは、提携ホテルの技術提供で非常に質の高いものだ。たとえ日本で入手できる素材であっても、風味が違うからと本国から空輸している。この価格でこのおいしさ! 価値ありの店だ。

Y.K.