1996.11.02
トルネード登板
フレンチレストラン「レ・ミレジム」玉川学園前
哀-2

玉川学園前駅付近には、小さくて良質のレストランが多く、ここ「ミレジム」も家庭的な雰囲気の中、しっかりしたフランス料理をいただける本格派の店だ。一般住居を改造してオープンした店は、区分された部屋を個室としてうまく利用しており、一番広いホールでも4テーブル程度で、店内どこに案内されても落ち着いて食事を楽しむことができる。食器類も非常に洗練されたものを使用しており、食卓を華やかに彩っている。

この日は、日米野球に野茂投手が登板するということで、店には閑古鳥が鳴いていて、この日一組の客になってしまった。5,000円のディナーコースは、まずオードブルに小海老とパパイヤのサラダが出てきた。クイーンアリスで腕を振るったシェフらしく、可憐で美しい盛り付けをする。

続いたスープはビシソワーズだったが、もう外は寒くなってきたので、冷製スープとは首を傾げてしまった。魚料理は、ノルウェーサーモンの瞬間燻製 姫タケノコ添え。とても柔らかく香ばしい一皿だった。口直しの洋梨のシャーベットをはさんで、メイン料理は鴨のロティ。添えられたナスのソテーが印象的だった。

この店でいつも楽しみなのがデザートだ。夜のコースだと2品楽しめ、一皿目がヨーグルトのムース、二皿目はメレンゲとバニラアイスクリームのモンブラン。メレンゲはサクッと軽く、マロンのクリームも風味が豊かでおいしかった。

グラスワインを注文したが、思いっきり最後の一杯という感じで、最後の一滴まで絞ってくれたが、これはいかがなものか。いったいいつ抜栓したのか、想像するだけで恐ろしい。また、オレンジジュースが搾りたてなのはありがたいのだが、カサを増すために氷を入れるのはよくない。

Y.K.