1996.08.12
タワーの最上階
帝国ホテル Deluxe Room
喜-1

タワーの30階、31階は特別階になっていて、内装、天井高、アメニティなどに差がある。エレベータホールの雰囲気も違う。寝具やタオル類は上質で、肌触りがよい。レザーキットなどはとても高級なものが用意されており、使い捨てにするのは勿体無い。また、清掃状態も第1級で、隅々まで行き届いていた。当たり前のことだが、これを実現できているホテルは非常に少ない。

時間帯によりプログラムが変わるBGMは、センスのよい選曲でくつろいだ雰囲気を演出してくれる。また、CATVの充実度にも目をみはるものがあり、外気温や外の様子などを映し出すチャンネルまである。ターンダウン時は、使用したバスルーム内も元どおりにしてくれ、照明をやさしい感じの調節し、ソフトにBGMを流しておいてくれるなど、各所にさすがとうならせる配慮がうかがえる。

「ユリーカ」の夕食

盆休み中とあって、いつもなら外国人を含め、ビジネスマンやショッピング帰りのご婦人で賑わうこの店も、家族連れ、しかも親が60代で子が30代くらいの年齢層の高い家族が目立った。ぼくはシェフオススメのセットメニューを注文。

同席の友人はアラカルトで注文したが、コースをたのんだぼくと品数を合わせるために、デザートまで注文しようとしたところ、「後程うかがいます」と冷たくさえぎられたが、言い方がかなりクールだったので、とても不快な印象を受けた。あらかじめ決まっているのだから、黙って聞き取ればいいのに。結局食事が済んで、ぼくのデザートが運ばれてきても、従業員からは何のアプローチもない。

さて帰ろうかという頃になってやっと、何かお持ちしましょうか?とメニューを差し出された。タイミングの重要性を改めて考えるいい機会になった。

「レ・セゾン」の朝食

席につくとまずあたたかい飲物を勧めてくれるので、コーヒーを飲みながらメニューを考えられる。サービスは手慣れた感じで素早い。お客がもたもたしてると突き飛ばされそうだ。フレッシュジュースの搾り方にも熟練度が感じられるし、ポーチドエッグにしても料理人の料理を食べているんだと実感できるほどの出来映え。

常連客が多いためか、特定のテーブルに付ききりになる従業員が多かった。それは別に構わないが、ちょうどぼくの後ろの席で、お客さんと従業員が交わしている会話にはびっくりした。お客さんが、窓から見える、早朝から宝塚劇場を取り巻くようにして並んでいる女の子たちを見て、「ありゃすごいね、熱心だね。いつもこうなの?」と従業員に尋ねた。すると従業員はうんざりしたように「そうなんですよ、異様ですよね。まるで宗教団体みたいで恐いですよね。」と返答していた。別に客の言葉に逆らう必要はないけれど、ニュアンスを曲げて宗教問題にまで発展させるのはまずいんじゃないの

さて、コーヒーを飲み干すと直ぐに注ぎ足しに来てくれた。そして、直ぐにポットに入れたコーヒーを「お熱いコーヒーをこちらにご用意しました」といってテーブルに置いた。気を利かせてくれたつもりだろうけれど、今次いでくれたコーヒーを飲み干す頃には、もうポットのコーヒーは熱くないだろうから、あまりうれしくない。

Y.K.