1996.08.10
東京湾華火大会
ホテルインターコンチネンタル東京ベイ Club Deluxe Room
楽-5

毎年8月に催される東京湾華火大会のベストビューポイントは、ここホテルインターコンチネンタル東京ベイだろう。5月1日の10時から一斉に予約を受けつけ、5分後には完売となるほどに人気が高い。料金は1室2名利用で1泊2食付き7万円程度とかなりの高額商品だが、それだけの価値は十分にある。

5月1日はこのホテルに宿泊中だったので、発売時間きっかりから館内電話で予約係に電話をし続けたが、なかなかつながらず、3分後につながった時には、すでに一般階リバービューの客室しか取れなかった。リバービューの客室からは残念ながら花火を見ることはできないが、港に面した宴会場にて食事をしながら花火見物ができるようにするという。

たとえリバービューの客室でも、ぜひ参加してみたいと思い、友人の分も含めて3室抑えた。後刻、ゲストリレーションズで、予約は取れたがリバービューの部屋だというと、できればベイビューの客室を取って差し上げたいと、積極的に努力してくれた。その結果、1室だけだが、宿泊部長が抑えている枠を分けてくれることになった。客室はクラブスーペリアのベイビュー。その分料金も、なだ万の夕食付きで10万円程と高くなったが、これは大変ありがたい配慮だった。

当日、ホテルに到着してみると、部屋はデラックスタイプが用意されていた。この部屋からは、打ち上げ場所が真正面に見え、ベスト中のベストポイントだ。夕方4時から付近の道路に規制がかかり、ホテルへの車の乗り入れは一切できなくなる。また、館内にも予約なしでは入れない。夕方5時から「なだ万」で懐石をたべ、部屋に戻ると7時過ぎからいよいよ花火の打ち上げが始まる。

部屋のウインドウに釘付けになりながら、目の前に打ちあがるダイナミックな花火に酔いしれた。窓も一部開閉でき、腹に響く音も楽しめる。距離的にも非常に近いところで上がっているので、大迫力だ。1時間半があっという間。横浜の花火に比べても、角度、距離、全てにおいて圧倒的に東京ベイの方がよい。絶好のポイントで他人を気にせずプライベートに花火見物ができるので、これなら10万円は安いと感じる。

一方、宴会場で見学した他の2部屋の友人たちの話しによると、料理は立食で今一つだったそうだ。その他にも、幾つかの不満が残ったという。飲物はカウンターで好きなものを受け取るしくみだが、係りがひとりしかいないので長蛇に列ができ効率が悪い。花火が始まると、照明を落としてくれるのはいいが、ドレープが邪魔で、あらかじめ外すなりして欲しかった。椅子が用意されておらず、高齢の人たちは椅子を出して欲しいとスタッフに頼む姿が多かったので、はじめから用意しておいて欲しかった。などなど。

ホテル側も、初めての試みで、いろいろと試行錯誤があったことだろうが、今年の経験を来年以降にいかして欲しいと思う。花火打ち上げ中は、クラブラウンジもかなり混雑していたらしいが、花火を見終えて出向いた時には、すでに閑散としていた。ゲストリレーションズにとっても、ホテルから見る初めての東京湾華火だから、終了後はゲストもスタッフも興奮状態で話しが盛り上がった。

花火のインパクトが強く、「なだ万」での料理の印象はまったくもって吹っ飛んでしまった。純和風でなく、「鉄人風」とでもいうような、中途半端な料理だった。

Y.K.