1996.04.15
料金OFFならサービスもOFF
神戸ベイシェラトンホテル&タワーズ Towers Room
怒-1

シェラトンクラブインターナショナルからプロモーションのはがきが送られてきて、平日の利用なら50%OFFだと書いてあったので、出張のついでに寄り道をして利用してみた。予約の電話を入れると、はがきには書かれていない様々な制約があることを伝えられた。

利用できる部屋タイプが限られており、タワーズはツインルームかダブルルームのみに割り引きが摘要されるという。ダブルルームは海側の客室で28平米あるが、シャワーブースが付いていない。ツインなら山側の客室で36平米あり、シャワーブースがあるとのことだった。ひとりなので、ツインのシングルユースよりも大きなダブルベッドを使いたかったが、山側の眺望とシャワーブースの魅力には勝てず、ツインのシングルユースを選択。予約の際は45,000円の50%OFFで、22,500円だとだけ説明された。

ホテルに到着すると、ひとりで身軽だったこともあり、フロントに寄らず、そのまま18階のタワーズラウンジに直行しチェックイン。手続きに少し手間取ったらしく、10分ほどを要したが、かつてサービスされていたおしぼりやウェルカムドリンクは勧められなかった。

様子からすると、タワーズフロアはほとんど稼動していないのに、20階にはアサインしてくれなかった。同じ広さと設備でも、20階だけは天井が高い。ラックレートは同じだ。ホテルに余分なコストがかかるわけではないのだから、空いているのならそちらを利用してもらえば、より印象が良くなるだろうに残念だ。この際、割り引き利用だから仕方ないと諦めることにした。カードキーを受け取り客室へ。すぐにスポーツクラブでひと泳ぎし、部屋に戻ってシャワーを浴びた。以前は有料だったスポーツクラブだが、今は無料で利用できる。

客室のアメニティは石鹸の質が落ち、男性化粧品が削られていた。用意されているタオルの数は以前のまま。バスルーム内は大理石張りでゴージャズだが、総面積が狭いため、ややゴチャゴチャした感じがする。バスタブは浅い上に小さい。外国人には物足りないだろう。おまけに排水が悪く、シャワーブースはすぐに水浸しになる。今回は外に流れ出さないだけマシだ。室内のインテリアはとても洗練されている。家具のデザインもよく、クロゼットと一体となったミニバー、TVはユニークだ。デスクの椅子もしっかりしたものを備えている。バスルームを含め照明効果が高く心地よい。

ターンダウンを頼んでから三ノ宮に出掛け遅くに戻ってみると、使おうと思っていたベッドとは逆のベッドが用意されていた。もう遅いし、せっかくなのでそちらを使うことに。バスルームは、夕方使ったままになっていた。タオルの交換もされていないところを見ると、チラとも覗かなかったのだろう。タワーズフロアのサービスとしては、物足りなさを感じた。

翌朝の朝食は1Fのカフェを利用するように、チェックイン時に言われていた。タワーズラウンジでは提供していないとのことだった。ブッフェスタイルだったが、例えばホテルオークラ神戸の朝食ブッフェを比べれば、品数は半分以下でさみしい。

部屋に戻って、ライティングデスクで仕事をしていると、タワーズセレプションから電話が入り、「チェックアウトのお時間を過ぎておりますが、ご出発はいかがなさいますか?」と聞かれた。時計を見ると12時15分だった。通常のチェックアウトタイムは正午だが、SCIメンバーは16時までのレイトチェックアウトが可能なので、「少しゆっくり出発するつもりなんですが」と答えると、延長料金が掛かるという。メンバーである旨を伝えても、今回は割り引き利用だから、特典は一切使えないという。はがきにも書いてなかったし、予約時にも、チェックイン時にも説明されていない。

そもそも会員向けにプロモーションをしているのに、会員特典をことごとく削るというのは、他のホテルではあまり例を見ないし、それならそうと、はじめから説明して欲しかった。なんとなく気分を害したまま、仕事を中断して出発をした。なんとなく「やられた」という感じがして不愉快だった。

45,000円払って受けられるサービスを22,500円でも提供してこそ、はじめて50%OFFというものだ。ないない尽くしなら、安くて当たり前だ。今回受けた不信感は、削った特典以上のものを付加しようとも、22,500円を投じて取り繕ったとしても拭えないだろうし、長期的に見ればホテルにとって不利益な結果を招くはずだ。

Y.K.