1996.04.06
ぬくもりのないホテル
新神戸オリエンタルホテル Single Room
哀-2

新神戸駅前という好立地にあぐらをかいているのか、何かと強気な面ばかりが目立つホテルだ。13時55分にホテルに到着。チェックインをしようとフロントに行くと、「チェックインは14時からとなっております」と追い返された。あと5分。それほど時間にこだわる必要があるのだろうか。ほかにも同じように追い返されたゲストと一緒に、フロント前のソファで待つこと5分。「お待たせしました。どうぞ」とカウンターから声を掛けられた。

フロント係は愛想のない女性でチェックイン手続きをし、ルームキーと朝食券を差し出したが、細かい説明などは一切なかった。ロビーは広々としているが、開放感があるというよりも無駄に広いという感じ。センスがいいと思うところはない。ロビーの一角からは、ショッピング施設「OPA」からの吹き抜けや、宴会場へとつながる長いエスカレータなどが立体的に入り組み、躍動感を生み出している。

今回利用した客室は、北野方面を望むシングルルーム。比較的高層階だったので眺めはいい。日中は山の緑、夜は見事な夜景が楽しめるが、窓の外には避難用の通路があるので、視界が遮られるのが残念だ。

客室はとても狭かった。壁に沿って窓を向いて置かれたシングルベッド、コンパクトにまとめられたデスクやテレビ、ビニールクロスを張った小さなユニットバスなど、シティホテルとして最低限の設備に留めている印象。清潔感はあったが、ブルーやシルバー系のクールな色彩なので、やもすると寒々しい。

高層階にはエレベータにキーを挿さないとアクセスできないエグゼクティブフロアがあるが、ラウンジなどはなく、単にアメニティがよくなる程度で、ほかに付加サービスはない。オークラがオープンする以前は眺めのよさを得るために何度か利用したことがあるが、コストパフォーマンスにも不満が残った。

全体的にホテルらしいぬくもりを感じる場所がなく、冷たい空気が流れているという印象だった。便利な立地にあるだけに、もっと努力をして魅力的なホテルになってほしい。どこか外資系の傘下に入って、徹底的に改装をしたら、かなりいい線いくような気がする。

Y.K.