1995.09.10
懐かしい人
南海サウスタワーホテル Club Superior Room
喜-1

5年ぶりに神戸の友人と会うことになり、沖縄に向かう途中で大阪へ立ち寄った。彼女の職場が心斎橋にあることから、南海サウスタワーホテルを選んだ。懐かしい人に会う時は、いつでも胸が躍る。

南海サウスタワーホテルは、エキサイティングな外観をしている。また、駅のすぐ上という立地のため、非常に複雑なアプローチを持っており、さながら都市の要塞のようだ。しかし、館内はターミナル駅の喧騒とは一線を画し、エレガントな時間が流れている。

大理石のロビーには80年代に流行した形の大きなシャンデリアが下がり、中央に花を配した。このロビーで待ち合わせた人とは、すぐに出会うことができた。レストランで再会を祝して食事をし、また再会する約束をして見送った。その間、2時間程度だったろうか。5年に2時間。50年で20時間の接点。それも、これから同じようにチャンスを持てばのこと。わずかなつながりでも、深い絆を感じる。人の縁とは不思議なものだ。

客室はエグゼクティブフロアのスーペリアルームを利用した。箱崎のロイヤルパークホテルと提携しているので、そちらから手配してもらった。パステル調のインテリアに包まれた、オーソドックスなレイアウトのやさしい印象の客室だった。バスルームはユニット式でタイル張り。アメニティは充実しており、バスローブもあった。室内よりも、景色に釘付けだった。大阪の賑わいを間近に感じられる景観だった。

翌日も早くに出発したので、結局ラウンジは使えなかった。ミナミにあるホテルでは、最も充実した設備を持ち、サービスも安定しているように感じた。ポートピアホテルにも似た、どことなく淡いイメージが思い出とクロスオーバーする。

Y.K.