1995.04.09
ハイダウェイ
ラ・シェネガ Standard Room
楽-2

東名高速の大井松田インターチェンジ近くでコンサートがあり、終演後のレセプションが済んでから「ラ・シェネガ」に予約をいれた。どうしても翌日までに仕上げる約束の作品を書き上げてしまいたかったので、気持ちの落ち着ける空間が欲しかった。

人が少なくて隠れ家的なホテルは、なかなか見つけることができない。何度か訪れて、従業員と親しくなることは、とても楽しみなことだと思うし、滞在中の安心感がまったく違うだけでなく、気持ちの満たされかたも違ってくる。いいホテルとはそういう付き合いをしていきたいと考えているが、時として、知る人のいないまったくの別空間が欲しくなる時がある。それも急に思い立つようにしてだ。

今回初めて利用したこのホテルは、それにぴったりなホテルだった。レストランも閉まってしまった時間にチェックインをし、バルコニー付きの窓を開放すると、まだすこし冷たいが、肌に心地よい風を感じられる。ただ、高台なので目にこそ入らないが、すぐ下を走る真鶴道路の騒音が気になった。深夜になると交通量が減り、次第に波の音が際立ってくる。ビーチに寄せる波音でなく、岩場に打ち付ける波なので、ダイナミックで包み込まれるような臨場感がある。

客室内は抑えた照明に、ウッディな家具が暖かみを醸し出していて、バスルームにはシャワーブースがあり、充実したアメニティが用意されている。洗面台はスタイリッシュなデザインだ。また、ミニバーのグラスやバスルームのグラスもしゃれたデザインでさりげなくホテルロゴが入っている。ゲストステーショナリーも高品質で、しおりやシールまで用意され、引出しには使い捨てスリッパとバスローブが入っている。また、テーブルにはミネラルウォーターが置かれ、必要なら補充もしてくれる。

2〜4階が客室で、今回利用した4階の客室は特に天井が高く、斜めになった天井の最高部分は4メートルほどありそうだ。また、階数的にはたいした差ではなくても、1階上がることに眺望は随分と開けてゆき、4階だと遮るものがほとんどなく広大な海が望める。そのため、スタンダードルームでも階数で料金が違ってくる。今回はラックレート35,000円での利用だったが、シーズンを通してオトクなプランを用意しているので、これからはそれを利用してみたい。

その他、ジュニアスイートとメゾネットルームがあり、いずれもブロアバスが設置されているとのこと。だが、1階のリフレッシュルームに各種サウナやジャクージがあり、無料で利用できるので、客室のバスはスタンダードルームの仕様でも十分に感じた。今回は遅くのチェックインでレストランを利用できなかったが、チェックインの際、簡単なのもならバーで用意できると勧めてくれた。

また、コンサート後だったので、花束をたくさん持っていたが、一度ラッピングをほどいて冷所で保管し、翌日は元に戻して返してくれた。初めてのホテルで、顔見知りの従業員はいなかったが、親しみを感じられたし、不必要な気遣いが不要だったので、自分の世界に入り込むことができ、予定通り作品も書き上げることができた。また利用したいと思う、いいホテルだが、リピーターになってしまうと、あまり「隠れ家」的存在ではなくなってしまいそう。また、次の「隠れ家」を探さなくては・・・

1995.05.08
陽光を浴びながらのランチ
「ダイニングルーム」ラ・シェネガ
楽-3

前回宿泊時に利用できなかった「ダイニングルーム」で食事をするために、車を走らせた。東名横浜インターから小田原厚木道路と真鶴道路を経由してほぼ一時間で、海沿いの瀟洒なプチホテルに着く。高速に入ってからは、ホテルエントランスまで信号に止められることが一度もなく到着した。初夏の暖かい陽気に恵まれた一日で、車中から左手に望む海を眺めている時から、開放的な気分に浸り、期待が高まってくる。ビーチ沿いの路とは趣きを異にする、岩場に打ち付ける荒々しい波が、はじけるような気分をかきたててくれる。

到着したホテルは、周囲に何もないひっそりとした雰囲気で、エントランスには係りが常駐してゲストを迎えている。レストランを予約している旨を伝えると、にこやかに案内してくれた。レストランホールは、海に張り出すようなかたちでほぼ270度の景観を持っている。そのうち一方向は客室とプールを望む格好となり、プールサイドでくつろぐ宿泊客たちと静かなプールは、リゾートの雰囲気でいっぱいだ。ただ、せっかく海の方向に張り出すように設計しているのに、肝心な海はあまりよく見えないのが残念。

店内は薄いピンクを基調としたやさしいイメージのインテリアで、座席はゆとりのある配置になっている。エントランス付近にグランドピアノが置かれ、特別な期間には演奏が入るそうだ。ホテル全体にはゆったりとした空気が満ちているが、このダイニングルームだけは、多くのご婦人方で賑わっていた。料理はお昼のコースが3,500円で、魚料理、肉料理両方が楽しめ、新鮮な素材を使ったシンプルながら実にしっかりした料理を楽しませてくれた。これだけ美味しいのだから、大勢のお客さんが押しかけるのもうなずける。

一方、サービスは料理に比べるとお粗末だった。別に不足があるというほどのものではないが、なにしろ雰囲気が暗い上に、少々横柄な感じもある従業員がいた。その人は比較的高い立場にあるらしいが、それに続く若い従業員たちが悪い影響を受けなければいいのだがと心配せずにはいられなかった。ホテル全体を1,000,000円で貸しきれるそうだ。気の合った仲間を50人くらい集めて楽しいパーティーをするのもいいかもしれない。

1999年のコメント:当時素晴らしい料理を楽しませてくれたシェフはもう退任されました。好みの問題だとは思いますが、この当時のシェフの料理のほうが断然好きでした。遠くから通う価値がありましたが、残念ながら今はそこまでしてここの料理を食べたいとは思いません。小さなホテルですから、食事に関して魅力がなくなってしまうと、これまでの顧客が離れてしまうのではないかと心配です。

Y.K.