1994.10.18
ロマンスには不向き
東京ヒルトン Executive Suite
楽-2

パークハイアットから歩いても行けて、車なら2分程度の場所にヒルトンはある。駅からのアクセスはヒルトンの方が近いし、ホテルと駅を結ぶシャトルバスが頻繁に出ているヒルトンに軍配が上がる。パークハイアットは歩くには遠いが、タクシーに乗るには近すぎるのだ。国際的な活気という意味でも、ヒルトンは様々な国の人々が滞在しており、滞在客とスタッフのアクティブな雰囲気がヒルトンらしさになっている。充実したレストランは味にも定評があり、ビジネスユースに強い。サービスも黙っていても何もしてくれないが、積極的にアプローチすればアクションを起こしてくれる。

前日にパークハイアットのスイートを利用したこともあって、ヒルトンのスイートはかなり見劣りがする感じだった。ラックレートはこちらのスイートの方が高いが、面積は狭く、設備も劣っている。スタンダードルーム3室分のエグゼクティブスイートはおよそ90平米。60平米のパーラーと30平米のベッドルームというシンプルな分け方だ。

パーラーにはソファセットがあり、仕事に便利なデスクが部屋の中を向いて置かれている。ゲスト用のトイレがあるほか、特段の工夫は見られない。なんともさっぱりとしたスイートだ。ベッドルームも同様で、寝具などにも特別な部分は見て取れなかった。家具がエグゼクティブフロアと同じ、濃い色のものを使っているという程度か。バスルームもスタンダードルームと同等。アメニティがやや豊富で、バスローブを備えている。

人が集う際の控え室や、ビジネスユースを目的としたスイートは、誰かをあっと驚かすためのロマンチックな舞台として予約すると、失敗をするかもしれない。

Y.K.