1994.05.05
ホテルの中のホテルスクール
東京ヒルトン Standard Room
楽-1

新しいホテルの登場で、少々存在感が低下したようにも感じるヒルトンだが、相変わらずビジネスマンの利用が多く、いつも活気にあふれている。この日はゴールデンウィークの最中とあってか、いつもよりはのんびりとした雰囲気だった。

しかし、ここのサービスには最近魅力を感じなくなってきた。かつて贔屓にしていた頃は、何かと融通も利かせてくれたが、今では知っているスタッフが少なくなり、寂しい思いをすることもしばしば。優秀なスタッフがたくさんいたが、そういう人から他のホテルに移っていってしまう。

ヒルトンの人材が他のホテルで活躍することで、「ホテルの中のホテルスクール」的な役割を果たしている。優秀なホテルマンのふるさとや総本山みたいな場所にも見えてくるから面白い。しかし、肝心の総本山は、どんどん若手が活躍できる場所でなくなっていくのではないか。単なる古株の巣窟にはなってほしくない。

ヒルトンには底力があるはずだ。設備は古くなり、時代のスタンダードには合わなくなっても、ビジネスマンの信頼を築いてきた合理的なサービスは健在だ。今後は新しいアイデアも盛り込んで勝負してほしい。

Y.K.