1993.06.03
フィンランディア
「ロオジエ」銀座資生堂
楽-4

レストランへ入る前に、バー「ロオジエ」で待ち合わせを兼ねてアペリティフを楽しんだ。このバーはレストランとは独立して営業しているので、バーのみでの利用客の方が多い。内装はシックでゴージャス、しかもホテルのバー同様、特にチャージ等は必要ないので、行き届いたサービスの中で安心してくつろげる。銀座では数少ない貴重なバーだ。

連れを待っている間、ウォッカドリンクコンペティションでワールドナンバーワンになったという「フィンランディア」と名が付いたカクテルを楽しんだ。口当たりがとてもソフトで、クリームが入っているにしては甘すぎず、グラッセに近いほどよく冷えておいしかった。後からウォッカの鋭さが沸き上がってくる感じ。

連れと落ち合い、ダイニングへ席を移すと、今しがたまでバーでアペリティフを楽しんでいたというのに、「お食事前になにかお飲み物でもいかがですか?」と尋ねてくるなど、連携の悪さが感じられた。サービスは安定しており、大きな不足はないにもかかわらず、安心感やワクワクするような雰囲気は伝わってこない。優秀な技術を持っているはずだが、才気や積極性が表面に出ていないのは残念だった。

また、信頼に値するソムリエ陣がいるはずなのに、この日はどうも頼りなかった。品物を勧めるにしても、困惑しながらでなく、自信を持って欲しい。一方、料理はとても元気だった。伝統的な調理法にも、新しい感覚のソースやスパイスを効かせた、素晴らしい料理が並ぶ。聞いてみるもので、前回あるといいなと思っていながら尋ねなかったアイスクリームは、申し出れば2種類の用意があるとのことだった。もしかするとソルベもあるのかもしれない。今回のセレクトは白がDOMAINE LEFLAIVEのピュリニーモンラッシェ'89、赤はコートデュボーヌ唯一の赤グランクリュ、コルトン'83。

アミューズ(トマトとベーコンのピッツァ、唐辛子のムースのタルト)

ノルウェーサーモンのマリネ サワークリームとキャビア オリーブのクーリ添え サラダと共に

エクルビスのエチュベ スパイシーな野菜添え

子鳩のロティ 柚などの柑橘と赤ワインのハーモニー ラビオリ添え

ナチュラルチーズ

グランデセール

コーヒーと小菓子

14,000円

Y.K.