1993.05.29
アペリティフに白ワイン
「アレットパレット」淵野辺
楽-2

お昼のアレットパレットは、ご近所のご婦人方でいつも賑わっている。この日もオープンと同時の予約だったが、時間通り到着したら、すでに先客があった。初夏の爽やかなこの日、まずアペリティフ代わりに冷えた白ワインでもと注文すると、オーストラリア産の2種のワインを飲み比べてみることを勧められ、それに従ってみた。ひとつはスッキリと無難なテーブルワイン、もうひとつは、芳しく、ほのかに甘く、まさにアペリティフにはぴったりだった。

料理は3,500円のCコースを注文した。カツオのマリネ オリーブとアイユのクーリ アスパラガスのサラダ添え、黒ガレイのアーモンドと白ゴマ二色のコロモ トマトとオリーブの香り、牛ヒレ肉のポワレ赤ワインソース、ショコラアントルメグラッセ、チーズスフレ、コーヒーという構成。チーズはワンカット400円と手頃なので、ちょっとだけ楽しみたい人にもうれしいシステムだ。

料理は魚料理が得意の店なので当然のことなのだが、魚料理の力強さとアイデアに比べ、肉料理は変化に乏しく、いつも同じ料理で飽きてしまう。ぜひ肉料理にも力を注いで、バランスのよいメニュー構成として欲しい。卓上の花はナデシコが一輪挿しに飾られているが、ナデシコ一輪は可憐だが少々さみしげだ。

1993.05.29
銀器の輝き
「アレットパレット」淵野辺
楽-2

夜遅くの来訪だったので、アラカルトで注文し、ふたりでシェアしていただくというカジュアルなスタイルを取らせてもらった。アラカルトの場合、一品の分量が多いので、シェアしながらでも十分に楽しめた。真鯛のマリネ ライスサラダ添え(2,200円)、鴨胸肉のロースト(4,400円)、パン(250円)、チーズ3種(1,000円)、ワゴンデザート(800円)、エスプレッソ(400円)という値付け。このようなスタイルで楽しんだ場合は10,000円程度の予算で十分だが、コースは6,000円からと、この地域にしては高いような気がする。

料理の品質とサービスはこのままに、ディナーコース3,800円くらいからの設定にすれば、もっと広い層に支持されるだろう。特別な日の特別なレストランとしての位置付けだけでなく、日常の延長上にある「今夜はご馳走」気分で気軽に利用できるようにする方が、この店には似合っているように思う。銀器の手入れはいつもトップレベルで素晴らしい。元気のない植木やドライフラワーがその輝きを鈍らせているのが残念だ。

Y.K.