1992.05.24
ソムリエの質
「シュノンソー」ホテルセンチュリーハイアット
楽-3

ランチの営業をはじめてから初めての来店。コースは6,000円、8,000円、12,000円とあるが、12,000円のものは品数が多すぎたので、8,000円のものを注文した。この店では感心した点と、がっかりした点がくっきり分かれた。まず、感心したのは、テーブルを担当した従業員のサービスの良さ。若いホテルマンだが、良く教育されているし、当人もやる気満々で楽しそうに仕事をしている。見ていてとても幸せそうだった。熟練が必要なタイミングも良く心得ていて、快適。我々にはライターさえ使わせず、次々にお客さんが帰り、ついに我々だけになっても、きちんと2名で位置について、サービスできる体勢を取っていた。

一方、料理とソムリエにはガッカリした。料理はなんとなく披露宴で出される宴会料理の延長という感じ。ソムリエはとても無愛想で、ぼくがリストを眺めていると、人を見下す時専用の視線をこちらに向ける。なにかアドバイスを求めようと、陽気に語りかけると、尊大な態度で断言をする。「どうかしましたか?」といいたい気持ちをぐっとこらえて、Chateau Trotte Vieille'85を頼んだ。終始しかめっ面のままデカンタージュなしでそのまま注いでゆく。結果的には、澱が多く、また固かったのでデカンタージュすべきだったと思う。ラベルをもらいたいと申し出た時も、視線で非難を浴びせられ、返事さえしてもらえなかった。

内装は夜向き。昼間見るにはくどすぎる。眩いようなレッドを基調として、ダークグレー大理石の円柱がより濃厚さを醸し出している。これなら、思い切ってゴテゴテのロココ調にでもしたらおもしろいのに。

1999年のコメント:よくガマンしてたなぁと思います。今、同じようなことをされたら、黙っていないと思います。結局、現在ではまた夜の営業のみになってしましましたし、若干店内を改装して、よりカジュアルなというか、お手頃な値段で楽しめるスタイルになったそうです。でも、これきり行ってません。近くにパークハイアットもあるし、何もここで奮発しなくてもね・・・

Y.K.