1992.05.23
都会の片隅
フォーシーズンズホテル椿山荘東京 Club Superior Room
楽-4

フォーシーズンズクラブフロアのスーペリアシティービューの客室。庭が売りのホテルだが、ぼくはこの部屋からの景色が好きだ。浅草から新宿まで、ちょうど都心方面をワイドに眺められるので、夜になれば高層ビルの赤い点滅ランプがとてもきれいだ。20年前には霞ヶ関ビルや京王プラザホテルくらいしか高層ビルは無かったのに、今では数え切れないほどたくさんある。夜景を見ていると、つくづく東京は広くて大きい都市で、まだまだ成長が止まらないと実感する。周囲が住宅地でくらいこともあって、なんとなく都会の片隅から憧憬をみているような気分になることも。

もし、反対の庭側の客室を取るなら、低層階の方が眺めがいい。庭園の他何も見えないのは、せいぜい5階くらいまでだろうか。それより上層階になると、庭を見下ろしながら、庭越しに街並みを見るような形になり、上へいくほど街の割合が多くなる。また、Z型に折れ曲がった建築構造のために、各階20番くらいまでの若い番号の客室は、庭側街側ともに、景観が今一つだ。せっかくで眺めを楽しみたい方は、予約の際にリクエストした方がいいと思う。

「BICE」

案内された席は、奥まったブース席。それこそFLO並みに隣の席と接近し、落ち着かないセクションだった。それも端っこの狭苦しい席で、よく言えばオリエント急行のダイニングルームのよう。土曜日混み合っているのは解るが、スタートからがっかりした。料理はアラカルトからそれぞれ取り分けてもらうことにし、8品を注文。ワインはイタリアの白、AVIGNONESIソービニヨンブラン。9,500円とは恐れ入った。サービスの質を考えれば、高い気がする。飲み干すまで注ぎに来てくれないし、タラタラとよくこぼす。

結局、このホテルのレストランスタッフは、店による差があまり無い。高級なものを食べても、より高級なサービスは受けられないのだ。サッポロビールでもロマネコンティでもサービスの品質は同じだ。例えばサッポロビールでもロマネコンティなみのサービスを受けられるのならありがたみがあるが、まるでロマネコンティをサッポロビールなみに扱われているようだ。皿のふちは指紋だらけだったし、会計を頼もうとしても、だれも気付いてくれなかった。今年だけでも何度となく再訪しているのに、一向に名前も顔も覚えてくれない。この店は不倫には「使える」店だということだろうか。

1999年のコメント:開業からしばらくは、クラブラウンジでのサービスがとても充実していました。ちょうど、リッツ・カールトン大阪のクラブラウンジと同じような感じで、1日5回に分けてさまざまな料理が無料でサービスされていました。カクテルアワーには滞在中の外国人の皆さんと楽しい会話が弾んだものです。その空間だけでも、まるで海外でパーティーに招かれたような気分が味わえました。

この頃は12階と14階の2フロアがクラブフロアでしたが、今は12階だけ。ラウンジも改装されて少し狭くなってしまいました。リッツ・カールトンはずっと今のサービスを続けてくれるのでしょうか? 頑張って欲しいものです。もうサービスの削減は嫌ですよね。

Y.K.