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コンラッド センテニアル シンガポール Executive Room | |
Conrad Centennial Singapore | 2011.06.17(金) |
Singapore, Singapore | 楽-4 |
ARCHIVES ・ 1992 |
風水 シンガポールは物価こそ安くないがタクシーは安い。空港から市内ホテルまでなら、2,000円程度で行ける。そこをあえて5,000円近くするホテルカーを頼んだのは、タクシー待ちの列に並ぶ必要がなく、車がホテルに近づくと、まもなく到着する旨をホテルに連絡することで、スムーズなチェックインが可能になるからである。この朝も、車が正面玄関に到着するのに合わせて、担当のゲストリレーションズが待機していた。 コンラッドシンガポールは、マリーナ地区のサンテックシティの一角にあり、周囲を他のホテルやショッピングモールに囲まれた賑やかな立地にあるばかりでなく、どこに行くにも不自由がないのがいい。 近隣にあるホテルとしては、パンパシフィック、マンダリンオリエンタル、マリーナマンダリン、ザ・リッツ・カールトン・ミレニアと、シンガポールを代表するホテルが軒を連ねる。うち、パンパシフィック、マリーナマンダリン、マンダリンオリエンタルは、いずれもジョン・ポートマンの建築で、ダイナミックなアトリウムは一見の価値がある。 コンラッドシンガポールのあるサンテックシティは、オフィス、国際会議場、巨大ショッピングモール、ホテルの複合施設で、その中心には風水に基づいてデザインされた世界最大の噴水もある。場所柄、コンラッドの宿泊客はビジネスパーソンが中心で、ヒルトン同様にスーツ姿の客を多く見かける。 ロビーは3層吹き抜けで、正面玄関の上は3階まで続く大きなガラス壁。床や壁面には色の濃い石を使い、落ち着いた雰囲気を醸している。大きなアートワークや、竹林に囲まれたシッティングスペース、キャンドルに彩られた大階段、黄金の雫を思わせる天井からの照明器具など、大胆でデザイン性の高いアイテムに満ちたロビーだ。日中は男性ピアニストによる生演奏も行われている。 フロントカウンターはロビーの一角にあり、その奥はオールデイダイニングの「オスカーズカフェ&テラス」。他にロビーラウンジや、巨大コンラッドクマや日用品、スイーツなどを扱うショップなどがある。 客室へ通ずるエレベータは5基。チェックインは31階のエグゼクティブラウンジでおこない、館内の説明を聞いたのち、すぐに部屋へと向かった。 用意されたのは28階の標準的なエグゼクティブルーム。特徴ある外観からもわかるように、客室の広さが同じでも、窓の形状にはさまざまなパターンがあるが、最も面白みのない窓の部屋になった。だが、マーライオンビューという、嬉しいサプライズ付き。このホテルでマーライオンが見える部屋はわずかである。 40平米の客室は、90年代のデザインを色濃く残しており、あたたかみのあるやさしい雰囲気だ。家具はクラシカルで、一昔前の高級ホテルらしさが感じられるものの、古くささはまったくない。むしろ上質な落ち着き感が新鮮。 ホワイエから居室までの間にはクローゼットとミニバーがあり、床は大理石張りで、内扉は設けられていない。居室は奥行きよりも横幅が広い形状で、2面の窓を持っている。この部屋にはテレビの脇にコネクティングドアがあり、隣室の音が聞こえたら嫌だと思ったものの、結局のところ滞在中にドアの向こうが気になることは一度もなかった。 ベッドはツイン。窓の方に足を向けて並んでおり、濃い紫のスローケットと棒状クッションを添えている。シーツのスレッドカウントは250。マットレスの感触もよく、寝心地は上々だ。ナイトランプより低い位置に額装があるのがユニーク。 テレビはボードにはめ込まれており、このボードだけは比較的新しい。テレビ下のキャビネットには、DVDプレイヤーが設置されている他、ナイトウエアの入った深い引き出しもある。 ライティングデスクは窓に向かって置かれており、同じふたつのアームチェアが、ひとつはデスクに向かって、ひとつはデスクサイドにある。デスクの脇にはサイレントバトラー。 デスクのライトは金属製カバーの小さなものだが、何ともいえない味わいのあるデザイン。卓上の一輪ざしも印象的だ。窓の向こうにはパンパシフィックが見えている。 もうひとつの窓の前には、オットマン付きのソファがあり、サイドテーブルにはウェルカムアメニティが用意されている。ウェルカムアメニティは、フルーツ盛り合わせ、コンラッドクマ、チョコレート詰め合わせ。 客室の照明は、明るさを調節できるものはないものの、すべてスイッチが独立しており、個別に点けたり消したりすることで、室内にムードをコントロールできる。空調は、スロットからキーを抜いて主電源が切れる度に初期設定に戻ってしまうため、外出から戻る度に寒い思いをしなければならないのが難点。また、一世代前の設備であるため、コンセントが不足している。 バスルームは広々とした大理石造り。なかなか立派だが、ディテールを見ると施工は粗雑だ。扉を入ると正面にバスタブがあり、ベイシンは側面。ベイシン前とバスタブ脇がミラーになっていることで、一層広く見える。 バスタブは石に囲まれた大型サイズ。黄色いミニダックとガラス入りのバスソルトが置かれている。湯は透明だが、やや砂っぽいにおいがする。 バスタブの隣りにはシャワーブースがある。内部が広いのはいいが、固定シャワーしかないのは日本人にはあまり好まれないのではないだろうか。トイレはシャワーブースの横。便座に洗浄機能は備わっていない。 バスアメニティはアッカパッカのシャンプー類やソープをメインに、コンラッドのロゴ入りパッケージで揃っている。スパの宣伝にも熱心だ。タオルは3サイズが3枚ずつで、バスローブはクローゼットに用意されている。 31階のエグゼクティブラウンジは、さほど広くはない。大きなイスが約60席。食事にもくつろぎにも使える高さのテーブルを使っている。入口のレセプションデスクは狭く、チェックインやアウトが重なると待たされるので、チェックアウトは1階のフロントを使う方がいいかもしれない。 フードカウンターはラウンジの奥、別室のような格好で設けられている。朝食や午後のお菓子、カクテルタイムのカナッペまで、時間帯に応じて賑やかなプレゼンテーションが行われる。シンガポールならではの食べものも並び、なかなか楽しい。 ラウンジの食器類は同じ柄入りのもので揃えている。最近は白一色というところが増えているが、柄入りの方が華やかで楽しい雰囲気になる。エグゼクティブラウンジは、18時以降、子どもは親と一緒でも利用できない。 屋外プールは4階にある。長方形の平面的なデザインで、プールを取り囲むようにチェアやテーブルが並んでいる。デッキチェアの部分にはパラソルがないので、日焼けに注意が必要だ。プールサイドスナックはリゾートの雰囲気。軽食や飲み物が揃っており、気軽に利用できる。 ホテルの外観は、まっすぐな石壁部分、雁行したガラス壁部分を組み合わせた、とてもユニークで凝ったもの。せっかくの外観なのに、周囲に高い建物が多いため、遠くからだと陰になってあまり見えない。 外観が表現しているのは数字の13.西洋人は嫌う数だが、風水ではよい数字らしい。こうして13を意識して外観を見ると、ホテル全体が超巨大なオブジェのようだ。 サービスは概ね快適だった。レストランの味もなかなか。オーチャードのヒルトンより安く売られていることも多く、コストパフォーマンスもいい。またいつか泊まってみたいホテルだ。 |
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