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グランドパークオーチャード Park Suite | |
Grnad Park Orchard | 2011.02.24(木) |
Singapore, Singapore | 楽-4 |
ARCHIVES ・ 1992 |
オーチャードロードの隠れ家 羽田発の深夜便でシンガポールへ。マニラの夜景を見下ろしたのが午前3時ごろ。チャンギ国際空港へは、まだ暗いうちに到着した。手続きを済ませ、迎えの車に乗り込む時には次第に空が明るくなり始めており、熱帯の湿った空気がまるで雨上がりのようだった。 車がオーチャード通りに差し掛かるころには、すでに夜が明けていた。空は薄曇りだが、午前中には晴れそうだ。まだ多くの人は朝食前という時間だが、オーチャード通りには車が流れ、人が歩いている。でも、日中の賑わいに比べたら、まったく静かな風景だ。 今回宿泊するのはグランドパークオーチャード。チェーン母体のパークホテルグループのことは、日本では近年まで広く知られていなかったが、小樽ヒルトンの後を次いで日本進出を果たしたホテルチェーンとして、徐々に浸透しつつある。 現在はアジア地域に8軒のデラックスホテルを展開しており、特に拠点としているシンガポールには3軒のホテルがある。今年は最初のホテルを香港で手掛けてからちょうど50年の節目に当たり、更なる躍進を目指している。合言葉は“Discover Love”。口にするのは少々照れくさいが、いい言葉だと思う。 グランドパークオーチャードは、その名の通り、シンガポール切っての目抜き通りオーチャードロードの中心に位置しており、もし日本の銀座に置き換えて例えるなら、4丁目の和光に匹敵する好立地だ。ただ、和光は地下鉄駅の真上だが、こちらは2駅の間にある。 それでも、いずれの駅にも徒歩5分程度だし、タクシー移動がメインのシンガポールではマイナスポイントとはならない。買い物天国と称されるオーチャードのど真ん中を拠点にできるのだから、むしろ最高の立地だ。 空に向けて大きく枝と葉を広げる街路樹が並ぶ通りは、歩道も広く歩きやすい。周囲には百貨店や大型ショッピング施設が揃い、普段使いの品から国際ブランドまで、幅広いラインナップだ。グランドパークオーチャードは、この活気あふれる通りの重要な交差点のひとつに面している。 このホテルはかつてパークホテルアットオーチャード・クラウンプリンスだったが、すっかり改装されて最新デザインのブティックホテルとして2010年に生まれ変わったばかり。建物のコーナー部分には、巨大なスクリーンが設けられており、さまざまな広告がダイナミックな映像とともに流れている。 ただ、あまりに街路樹が元気なために、このスクリーンを眺められる位置は限られている。渋谷スクランブル交差点のように見通しがよければもっと効果的だろうが、この環境では気付かない人も少なくないと思う。 ホテル正面玄関は、オーチャードロードから曲がってビデフォードロード沿いにある。繁華街のホテルでありながら、きちんとした車寄せを設けてあり、待機用のスペースも確保している。車寄せから数段のステップを上がるとホテル唯一のエントランスになってる。 エントランスホールには、ロビー階へのエレベータホールと、ショウウィンドウのようなシッティングスペースがある。デザインはカラフルでポップな中にさりげなくラグジュアリーをちりばめた感じで、シンガポールの躍動感とよくマッチしている。エントランスにも係が常駐して案内に当たっているので、初めての来訪でも迷うことはない。 3基のエレベータは4階のロビーフロアへの直通運転をしており、4階で降りると乗った時とは反対の扉が開き、明るいロビーが広がる。ロビーにはレセプションカウンター、アウトドアプール、ジム、ダイニングがあり、宿泊客だけでなく、プールサイドのバーラウンジで気軽にくつろぐ近隣のオフィスワーカーの姿も見られる。 今回はラウンジ付き特別階クリスタルクラブフロアを予約してあったので、フロントには立ち寄らず、そのままラウンジレセプションへと案内された。客室階へは、4階のロビーを通り抜け、3基の宿泊用エレベータを利用する。 クリスタルクラブフロア客室とラウンジは最上階の11階。ラウンジ入口にはクラブフロア用レセプションデスクがある。到着した時は、ちょうど朝食が始まったところだった。早朝の到着だが、部屋は前日から確保し、その分の料金もチャージされているので、早いチェックインというより、相当に遅いチェックインという方がお似合いだ。せめて朝食くらい食べないと、なんだかもったいない。 ラウンジは奥に細長い構造で、2名がけのダイニングコーナーをメインに、ソファの多いコーナーもある。窓は床から天井まであり、オーチャードロードを挟んだ向かいのビルが見える。 窓に寄って下を見ると、緑豊かなオーチャードロードがある。斜め向かいの茶色い建物は高島屋だ。他にも伊勢丹、パラゴン、アイオンといった人気ショッピングスポットが軒を連ね、魅力的なレストランやエンターテインメントも数多い。 ラウンジでは時間帯に応じたフード&ビバレッジのサービスがある。上の写真は夕方のカクテルアワーのもの。陽気な給仕がシャンパンやワインを勧めてくれる。 朝食も充実。フルーツがとにかく美味しい。機内の朝食には手を付けずに正解だった。ラウンジ内はシックなインテリアをベースに、シャンデリアなどキラキラの装飾で華やぎを演出。器も内装にマッチしたもので揃えている。 朝食が済んだところで、客室へ。用意された約50平米のパークスイートは、リビングルーム、ベッドルーム、バスルームからなり、エキストラのトイレも備えている。 リビングルームの床はフローリングで、ソファセットの下にはラグマットを敷いている。サイドテーブルと曲線がフィットしているロングソファ、レザーチェアを備え、四角いローテーブルを挟んでテレビ向き合うようにセット。奥のワークデスクには、ハーマンミラーのイスが添えられ、ひときわ目立っている他、デスクトップPCも用意され、滞在中は自由に使える。 天井にはユニークな照明器具がある他、スタンドやハロゲンダウンライトが豊富にあって明るいリビングだ。ソファのサイドテーブルには、うさぎをかたどったスタンドライトがすまし顔で佇んでいる。 テレビはバング&オルフセン製のものがダークブラウンのボードに取り付けられている。テレビボードに並んでミニバー、その隣りはエキストラのトイレ。 エキストラトイレ内にはオニキスの壁が使われ、ゴージャスな印象。ミニフラワーアレンジメントも置かれている。 ミニバーには豊富な飲み物が揃った冷蔵庫、無料のティーセット、無料のエスプレッソが用意されている。紅茶も種類も豊富で高品質だ。カップ&ソーサーはクラブラウンジで使われてるものと同じ。 リビングのテーブルにはウェルカムフルーツ。トロピカルな雰囲気が感じられるとともに、室内がパッと明るくなる。 各所にフラワーアレンジメントが置かれているのも嬉しいポイント。葉ボタンと蘭とガーベラとは、ユニークな取り合わせだ。カットされた葉っぱが南国風。 ベッドルームはコンパクト。真っ白いベッドリネンとオットマンが清潔さを醸すベッドは、寝心地よく快適。テレビは脇のボードに設置されているが、ベッドからは角度的に見にくい。テレビの前にはリビングにあるのと似たデザインのブラウンのソファと小さなコーヒーテーブルを置いている。 リビングとの通路の脇には、引き戸のクローゼット。さほど大きくないが棚もあって整理に便利な構造。クローゼット前にはドレッシングカウンターを設置。添えられたイスは唯一保守的なデザインで、このポップな部屋にあっては浮きまくっている。 この部屋はオーチャードロードとは反対の向きなので、窓からの眺めに面白みはない。L字に折れたホテルの反対ウイングと裏のビルに囲まれた路地が見えるだけだ。近くで建築工事が行われており、その騒音もかなり響いていた。 バスルームは広く立派な空間。ベッドルームがコンパクトな分、より一層広々と見える。フリースタンディングのバスタブ、間接照明が当たって輝く壁面のオニキス、ベイシン側の一面のミラー、天井から下がるチャーミングなペンダントライトなど、それらの組み合わせには新しい美意識が感じられる。 ベイシンは2面。置き家具風のベイシン台が落ち着きを醸す。ベイシンの隣りはシャワーブース。レインシャワーとスティック状のハンドシャワーを備えるが、ハンドシャワーは、シャワーのホルダーが低い位置に1か所しかなく、角度も変えられないので、常に手に持って使うしかなくて不便だった。レインシャワーをメインに使えということなのだろうが、肝心のレインシャワーは水流が非常に弱く、とても洗髪を出来る感じではなかった。 バスアメニティはブルガリ。連泊中、サイズが変わったり、ボトルデザインが違ったり、スタンダードが定まっていない印象。まあ、毎日違うのも楽しいけれど。タオルはふかふかで3サイズが2枚ずつ。バスローブも備えている。こちらにもフラワーアレンジメントがある。 4階ロビー階の屋外プールやジムは自由に使える。更衣室はなく、客室で着替えを済ませて出向く。監視員などのスタッフも不在なので、最初はどうしていいか迷うかもしれないが、好きなように気ままに使えばいい。タオルは各チェアの他、ラックにも豊富に用意されてる。 プールは一面がアクリルで、水中が透過して見えるようになっている。泳いでいる人は少ないが、アウトドアのラウンジを使う人は多いので、人目にさらされる覚悟が必要だ。 ビルのテラスに設けられたプールなので、あまり日が当たらないのではと思ったが、あんがい長い時間、強い日差しが当たる。逆に、日陰がないので、サンバーンに気をつけたいところだ。 プールサイドにはカウンターバーもある。夕刻以降はライトアップされて、モダンでアクティブなムードに包まれる。いかにもシンガポーリアンが好きそうな雰囲気だが、日本人にとっては少々気おくれしそうな盛り上がりよう。それを遠目に眺めているだけでも楽しいかも。 |
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