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飯能プリンスホテル Twin Room A | |
Hanno Prince Hotel | 2011.12.24(土) |
埼玉県飯能市 | 哀-4 |
ARCHIVES ・ 1992 |
客室オンリー 飯能は、池袋から西武線の特急に乗って40分ほどの道のりだが、ここまで来るとだいぶ山が近いという印象を受ける。駅や街の規模からして少々立派なホテルがあってもおかしくはないのかもしれないが、実際にホテルを目にすると、ちょっと張り切りすぎたかとも思わされる。 飯能プリンスホテルの開業は1992年。フォーシーズンズホテル椿山荘東京と同じ年。まさにバブルの遺産といったところだ。客室数は57と少ないが、開業時にはレストランや宴会場を持つコミュニティ型ホテルだった。後にレストランと宴会場をヘリテイジに譲り、プリンスは客室のみ営業するようになったことで、ますます存在感が低下した。 ホテルのある西武飯能ステーションビルは、飯能駅に直結。新宿プリンスホテル同様、下層階にはショッピング施設があり、日常的な生活感のある環境だ。ホテルエントランスは独立しており、駅前ロータリーに面した位置にある。 西武線で来館するには便利だが、車の場合は少々不便だ。正面玄関前には車寄せがなく、バスやタクシーが絶えず往来するロータリーに車を停めながら荷物の積み下ろしをしなければならない。ホテルの人が手伝ってくれるならまだしも、もはやそうしたサービスはないので、ひとりで運転して来館し荷物が多い時には、もうお手上げだ。 また、駐車場はロータリーをはさんだ反対側にある立体駐車場を利用するのだが、これもホテル棟から離れていて不便だった。 フロントロビーは1階正面玄関を入ってすぐのところにある。大理石の床、木目の壁と天井、間接照明などに囲まれ、ポスターや案内物で雑然としたところはあるものの、なかなかゴージャスな造りだ。フロントカウンターは小さめで、奥の壁にあるオニキスの透かしが効果的。フロントサービスに悪い印象はないが、ここでは特に張り切って何かをする場面もないというムードが伝わって来た。 エレベータは2基あって、いずれもシースルー。内装は凝っており、当時の感覚での近未来風。パチンコ屋の階段のような派手さだ。客室は7階から10階までにある。廊下は昼なのにまっくら。本当に営業中かと思うような雰囲気だ。 利用した客室は10室あるツインAのひとつ。廊下の両側にあるが、アサインされたのは駅のある南側。たっぷりと陽が注ぎ、冬でもほんのり暖かく感じられ、このホテルに入ってから始めて安らぎを得た気がした。客室は横広タイプで、窓はほぼ全面がガラスの大きなもの。外にはバルコニー。32インチテレビは窓の前にある。 デザインやカラースキームはプリンスホテルらしさが色濃く感じられるもの。淡いパステルブルーのカーペットやソファに、黄色のベッドスプレッド。家具の木目は白木風。ファブリックはダサいが、少なくとも家具の意匠はなかなか凝っていて、質感は悪くない。コミュニティホテルの客室としては力作だ。 ベッドは140センチ幅が2台。マットレスは旧式で、今どきこれほど寝心地の悪いベッドがあるかと思うほど。シーツは粗く、肌がかゆくなりそうだった。逆の見方をすれば、最近のベッドの進化は目覚ましいものがあるというわけだ。ベッド脇の額には、照明が当たるようにセットされている。窓上の間接照明も効果的。 ベッドの反対側はリビングスペース。中央には4人用のソファセットがあるが、それでもまだ床にゆとりがある広さ。デスクユニットは、オークラでお馴染みのデビットヒックスを思わせるデザインで、なかなか立派。風格と気品が感じられる。 バルコニーは広々しているのだが、イスやテーブルなどは置いていない。パッと見た感じは、集合住宅のベランダ。もう一工夫あれば、より魅力的な空間になったと思えば、もったいない気もする。 眼下の眺めは駅と住宅。夜景もさほど見応えはない。だが、丘陵や遠く富士山を望む遠景は一見の価値あり。また、直下の駅も、鉄道好きにはたまらない眺めだろう。駅前の踏み切りの音は、室内までかなり聞こえていた。 バスルームは、ベイシン、バス、トイレが独立した造り。ベイシンまではカーペット敷きで、居室との引き戸を閉めれば、ドレッシングルームとしても使える。ベイシン右の扉はクローゼット。左はバスルーム。ベイシン下にはタオルラックがある。 バスルームは洗い場付き。バスタブは溢れさせられるタイプ。アイボリー一色のシンプルな空間だが、清潔感に申しぶんはなく快適だった。 洗い場には、桶とイスが用意されている。バスアメニティはプリンスの標準的なもの。シャンプー類はポーラのアロマエッセを大型ボトルで。タオルは3サイズが2枚ずつに加え、フェイスタオルの予備が2枚プラスされている。 トイレは入口ホワイエ側にある。ホワイエと居室は引き戸で仕切られており、プライバシー感の高い造り。これでベッドさえ心地よければ、ぐっと印象がよかったはずだ。 同じく10階には宿泊客用のラウンジがある。ツインAの1室をラウンジに解放したという雰囲気で、ホットドリンクのサーバーが置いてある。カップ&ソーサーはなく、紙コップ。なので部屋に持ち帰ることもできる。 レストランやラウンジはヘリテイジの運営になったため、プリンスとしては客室を提供しているのみ。朝食すら出さないのは、東横インなどのビジネスホテル以下と言わざるを得ない。客室の案内では、朝食はスタバや吉野家を使うようアドバイスしているが、それを見て少なからずガッカリした。せめて、ヘリテイジに協力を求め、朝食くらいは提供すべきだ。まあ、それ以前に、ホテルを閉めてしまいたいというのが本音かもしれないが。 |
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OFFICIAL WEBSITE 飯能プリンスホテル(2012.09.30閉館) |
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