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霧島観光ホテル Twin Room | |
Kirishima Kanko Hotel | 2011.11.28(月) |
鹿児島県霧島市 | 哀-2 |
ARCHIVES ・ 1992 |
観光の宿 羽田から鹿児島まで飛行機を使い、鹿児島空港から霧島観光ホテルまでは、タクシーで向かった。東京を出発してから5時間。宿に着いた時には、すっかり暗くなっていた。途中、風景を見ることはできなかったが、かすかな温泉のにおいが鼻をくすぐった。 間もなく到着です。エージェントの言葉とともに、車は急な坂道を上がり、ホテルへのアプローチに差し掛かった。正面玄関前には、駐車場に収まり切れなかった車が停まっており、宿の盛況ぶりをうかがわせている。 メインエントランスを入ると、広々とした吹き抜けのロビーがある。左側はガラスウォールに沿ってソファが並んでいる。フロントカウンターは正面。フロント右側の階段を上がった中二階に、エレベータホールと土産物やがある。 ロビーには白いグランドピアノが置かれている他、クリスマスの装飾も施されている。もう夜だからか、空気で膨らませる雪だるまのオブジェは、すっかりしぼんでいた。 チェックインの対応は、あまりいい感じがしなかった。つっけんどんで、サービス精神のない口調。明らかに歓迎されていない雰囲気。それもそのはず、ファミリーやグループで一部屋を利用するのが当たり前の観光ホテルに、5人揃ってそれぞれシングルユースで泊まるのだから。しかも、エージェントがとびきり安いプランを使ったに違いなく、少々肩身が狭いのが正直なところだ。 だが、そんな時にでも、惜しげなく歓迎してくれたなら、今度は奮発して極上プランを予約するかもしれない。先のチャンスのために愛想よくするか、目先の不満で冷たく当たるかは、ホテル次第。どうやらこちらでは後者のようが、もしかしたら極上プランで泊まっても同様のサービスということもありうる。 客室は南館、中央館、北館の3棟に分かれている。ロビーから北館客室までの移動は、大きな荷物を持つ身にとって、少々難儀だった。エレベータホールまでの階段も大変だし、エレベータは1基しかなく、カゴが小さいので、一度に2~3人しか乗れない。スーツケースを持っている時は、2人が精いっぱいだ。 用意された部屋は2009年5月に改装を済ませたというモダン洋室。GOSiZEのデザインだというが、それにしては安普請で、デザイン性もいまひとつ。どこか素人に毛が生えた程度のデザイン事務所によるものだと思ったので、GOSiZEと聞いた時は驚いた。というか、いまだに信じられない。 客室扉を入ったところに極端に広いホワイエがあるところを見ると、元は和室だったのかもしれない。ホワイエには、クローゼット、姿見、茶セットなどがある。靴からスリッパに履き替えるのも、ここのようだ。 茶セットは急須付き。一口菓子と干し梅の試食品が置いてあるところが、温泉旅館っぽい。下には空の冷蔵庫がある。 ホワイエと居室の間は、狭い開口部で通じている。扉はないが、上部に磨りガラスのはめ殺しがある。脇に置かれた花台と壺がアクセント。 居室内は、ブラウンを基調としたシックな装い。2台並ぶベッドには、グレー掛かったカバーの寝具がセットされており、なんとなく男子学生の部屋のような雰囲気。シーツはごわごわしていて肌触りがよくなかった。ベッドの照明は、ナイトランプと天井からのダウンライト。室内に時計がひとつもないのが不便だ。 窓際の天井には、個別のエアコンが設置されている。ベッドに直接風が当たらない位置にあるのはいいが、作動音が騒々しい。その下には、オットマン付きの大きなソファ。脇にはスタンドライトと、鳥のオブジェが置いてある。 テレビのある側には、幅いっぱいにカウンターを設けている。テレビが載ったり、小物を置く分にはいいが、デスクにするには奥行きがなく、ドレッサーにするにはミラーもなければ灯りもないと、まったく役立たず。それなのに、イスだけ添えてあるのが滑稽だ。しかも、イスだけがデザインのテーマに合っていない。 コンセントの位置も悪い。現代のホテルデザインに、豊富で使いやすいコンセントの設置は必須である。それは都市型ホテルであっても、秘境の宿であっても同じことだ。ここには高速インターネットのサービスもない。 バスルームはベイシンとトイレだけが新調されている。それぞれ独立しているのはいいが、ベイシンは非常に狭くて使いにくい。無駄に広いホワイエ部分に設けることもできたと思うのだが。 バスルームは、使うのにちょっと勇気がいるような雰囲気。客室でも霧島の温泉が楽しめるのはありがたいが、もう少し見栄えよく改装した方がいい。 トイレの床と便器は古いままのようだが、壁は新しい。フラッシュレバーを見ると、かなり古いことがわかる。洗浄機能付き便座は備わっている。 とにかく室内がタバコくさいのには参った。窓を開けて換気するが、とても追いつかないにおいだ。その上、向かいの部屋では若者が集まってドンチャン騒ぎ。都市ホテルなら苦情を言うところだが、ここで場違いなのは我々一行なので、泣き寝入り。 夕食はレストラン「巴里」で。どんな洒落たレストランかと思いきや、温泉旅館の大食堂そのものだった。料理はすべてがあらかじめテーブルに並べられ、すでに乾き切っているものも。何でも美味しいといって食べる同行のピアニストですら、顔をしかめて大半を残した。 宿の自慢は中央館4階の展望風呂。その他にも、南館に露天風呂が設けられている。だが、ひとりのんびりと湯に浸かりたかったので、別料金を支払って貸切露天風呂を使うことにした。 食事の帰りにフロントに寄って、貸切風呂が使えるか尋ねたところ、今からどうぞと鍵を渡された。「利用時間は今から45分です」とのこと。まだ、支度もしてないのにと思いながらも、45分あればじゅうぶんと、そのまま鍵を受け取った。 それからなかなか来ないエレベータを待って部屋に戻り、風呂の支度をして貸切露天へ。前の客が散らかしたままなので、まずは掃除。それが終わった時点で、もう残り20分しかなかった。 やっと湯船に浸かったのはいいが、何とも言えないイヤなにおいが漂ってくる。においのもとを探すと、どうやら厨房の排気口から来ているようだ。真夏のラーメン屋の裏口みたいな強烈な動物臭の中では、せっかくの温泉もありがたみが薄い。 部屋に戻り、鼻の下にアロマオイルを塗り、耳栓をしてベッドに入った。ほとんど眠ることができずに迎えた朝。部屋の窓から外を見ると、霧島温泉郷のゆけむり。前夜の悪夢は、すがすがしい空気に吹き消された。 朝食も「巴里」で。午前7時の一番乗りで出掛けたが、すでに超満員。ブッフェ台のラインに並ぶ気になれず、合間からトマトだけを横取りしておしまい。出発までの残り時間は、庭を散策して過ごした。 庭には3つの足湯がある。木々を眺めたり、時折やってくるという鳥などの小動物を待ったり、足湯以外にも楽しみがありそうだ。 カップル用の小さな足湯というのもある。 やはりここは観光ホテル。細かいことを考えたり、緊張感を維持したまま訪れる場所ではないようだ。のんびりゆったり、気楽に過ごす構えで来れば、もっと楽しめたのではないかと思う。 |
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