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ホテルサンルート白河 Twin Room | |
Hotel Sunroute Shirakawa | 2011.09.25(日) |
福島県西白河郡 | 楽-2 |
ARCHIVES ・ 1992 |
新幹線駅前ホテル 東北新幹線新白河駅。これまで猛スピードの新幹線で通過するばかりで、一度も降り立ったことのない駅だった。静かにホームへと滑り込んだ列車を降りた乗客はわずか。緩やかに時を刻む改札を出て、駅前ロータリーを見渡すと、駐車場の向こうに宿が見えた。 とぼとぼと歩いてホテルのエントランスを入ると、大理石張りの明るいロビーが広がっている。フロントには男性のスタッフがふたり。同じ新幹線で来たと思われる先客のチェックインに対応しているところだ。フロント脇には簡易的な売店があり、地域の土産物などを取り扱っている。それを眺めながら、カウンターが空くのを待った。 ロビーには紺と赤のレザーソファーがびっしりと並んでいる。中国のVIPルームといった趣きだが、レストランから飲み物を注文して喫茶スペースとして使うこともできるようだ。ふだんは静かだが、宴会のある時には賑わうことだろう。 チェックインを済ませ、客室へ向かう。エレベータは2基。客室階廊下も特に飾り気のないさっぱりとした内装だ。建物は2棟に分かれているが、廊下は各階で連絡しているので、館内にいる分には別々の棟を往来している感覚はさほどない。夕刻以降の廊下は、ほとんど真っ暗。節電中らしい。 今回利用した客室は新館の標準的なツインルーム。白ベースのシンプルな壁や天井と、濃い木目の家具とのコントラストがユニークだ。窓は横に広いが窓台はなく、裾の短いレースとミントカラーのドレープが下がる。デスクランプとフロアスタンドが蛍光灯色のため、部屋全体が白々と見える。 入口の脇には折戸のクローゼットがあり、そのライン上にバゲージ台、デスクユニット、冷蔵庫が並ぶ。デスクは標準的な大きさがあるが、添えてあるのがスツールというのは、デスクワークには不足。滞在中は窓際にあるアームチェアを置き換えて使用した。冷蔵庫は空で、フロアにそのまま置かれている。 ベッドは昔ながらのマットレスに昔ながらのスプレッドだが、丁寧にメイクしてあり感心した。ベッドボードも木目で立派。ベッド回りはスペースに余裕があり、特に足元とデスクの間が窮屈でないのがいい。 窓際のアームチェアは鮮やかなブルーのファブリックが印象的。重たい丸テーブルを挟んでふたつ置いてある。ソファのファブリックは汚れていないが、ベージュのカーペットはシミが目立つ。特にデスク周辺は汚れが著しく、多くの人が飲み物などをこぼすようだ。 バスルームはタイル張りのユニット式。キャメルカラーのコオーディネートは80年代から90年代に掛けての流行。今見るとやや陰気だが、清掃は行き届いていた。 バスアメニティはサンルートホテル共通のもの。タオルは大小が2枚ずつ。 窓からは白河の市街地を望む。賑やかな眺めではないが、朝夕の空が心を和ませてくれる。付近に店の類はほとんどなく、滞在中は毎日レストランを探し求めて、あちこち散歩をした。その甲斐あって、手頃で美味しいものを出す店を訪ねることができ、小さな町ながらも食が充実しているという印象だった。 朝食は1階のレストランでのブッフェスタイル。手作り感のある料理が揃い、毎日楽しみだった。 ホテルからちょっと離れると、のどかな里の風景が広がる。そこを時折新幹線が高速で通り過ぎていくと、胸騒ぎがするほどの轟音になるが、またすぐに静寂へと戻る。やさしい心で穏やかに生きる人たちに接し、こんなところを故郷に持ちたいものだと思った。 |
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