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はいむるぶし Superior Room  
Haimurubushi 2011.05.03(火)
沖縄県八重山郡 楽-4

ユリの群生

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南十字星という名のリゾート


土地のことば南に群れる星、すなわち南十字星とその周辺の星々を意味する「はいむるぶし」。その名を冠したリゾートが沖縄の南、八重山諸島の小浜島にある。その歴史は古く、ヤマハリゾートによって1979年に開業、長く最果てのリゾートとして憧れの存在だった。2007年にはヤマハリゾートから三井不動産リゾートの手に移り、近く大規模なリニューアルに入ると聞き、昔の面影を残しているうちに一度訪ねてみたいと思い、今回の旅を計画した。

那覇から石垣まで小さな飛行機に揺られて小1時間。昔ながらの空港風情を残す石垣空港から、島々への玄関口となる石垣港までタクシーで数分。小浜島への乗船券を買い、のんびりと船を待った。船には島民のための日常雑貨なども積まれ、わずかな観光客を乗せて港を出発。次第にスピードを上げて豪快に水しぶきを散らしながら島へ向かった。途中、美しいサンゴ礁の脇を通過。刻々と色を変える海に見とれる間に、小浜島へと到着する。

小浜島の港には、小さな売店がひとつあるきり。ゆったりのんびり、気持ちがほぐれていく。ここと比べたら、石垣は市街だし、那覇は大都会である。港ではリゾートの送迎バスが待っており、数分の乗車で正面玄関まで到着する。途中、小浜島の素朴な風景を見ることができ、ちょっとした観光気分を味わえる送迎だ。

エントランスゲートの看板

現在、はいむるぶしの面積は40万㎡。以前はもっと広かった土地を、分割して今の広さになったというが、それでも驚くほど広大だ。ホテルのゲートからレセプションのある棟までだけでも、かなりの距離がある。この広大な土地にわずか100室少々の客室だから、はいむるぶしでは繁盛期でも混雑には無縁なのだ。

センター棟

チェックインはレセプションのあるセンター棟で。昔ながらのリゾート風インテリアが懐かしい。スタッフたちは鮮やかな半袖シャツを着て、陽気にサービスしている。チェックインの手続きが終わると、部屋への案内準備が整うまで、ソファで座って待つ。やがて名前を呼ばれ、スタッフが荷物を持って客室へと案内してくれる。

ハーブ棟

敷地内には、客室のある棟がいくつかの場所に散在している。それぞれにグレードの違いや、眺望の違いがあり、同じグレードのカテゴリーでも、眺望には差があるようだ。オーシャンビュースイートならば、比較的海が近いようだが、ビーチフロントという感じではなく、あくまで「割と海が近い」という程度。他は、遠くに海が見えるという感じで、海がまったく見えない部屋も多い様子。ここでは眺めを重視しない方がいい。

また、棟によってはセンター棟からかなり離れており、その場合はカートが必要かもしれない。今回アサインされたのは、センター棟から比較的近いハーブ棟(旧名称)2階のスーペリアルーム。客室からは池や木々越しに海を望むことができ、スーペリアルームの中では眺めのいい当たり部屋だ。

ベッドから窓を見る

客室面積は43平米。改装を間近に控えた旧来の内装は、レトロな雰囲気。ブルーグレーのファブリックと、使い込まれた籐家具の相乗効果が、渋み掛かった熟年の好みを連想させる。各棟には客室が連なっているが、内部はヴィラ風の造り。入口には踏み込みがあり、靴を脱いで部屋に上がる。正面はクローゼットで、室内金庫を備える。

ベッドからソファを見る

居室は横広で、ワイドな窓が開放的。片側にベッド2台、もう片側にソファコーナーを設けているが、ソファコーナーのロングソファは広げればベッド2台になる仕様だ。通常のソファ状態での座り心地はいまひとつ。カバーがすぐによれてしまうのも難点だ。

ベッド

ベッドには、白いカバーで包んだデュベを使っている。マットレスの感触はあまりよくないが、清潔感には申しぶんない。ベッドボードにも籐があしらわれ、全体の調和を保っている。ベッド台は比較的新しいようだ。

窓際からデスクを見る

ベッドサイドには、窓を背に向けてデスクを設置。ひきだし収納やドレッサーも兼ねている。その隣りにはキャビネットがあり、テレビやオーディオなどが収まっている。元ヤマハリゾートだけあって、オーディオはヤマハ製。天井に設置されたスピーカーから、心地よい音が室内を包み込む。エアコンは各室個別式。

バルコニー

客室には広々としたバルコニーが付いている。タイル張りのバルコニーだけで、広さは10平米。プラスチックのイスとテーブル付きだ。隣室との仕切りはサンゴ石と網。完全に視線を遮ることはなく、隣室と多少の挨拶程度が必要になるシチュエーションがあるかもしれない。

バルコニーからの眺め

バルコニーからの眺めは悪くなかった。目の前には熱帯植物が茂る池があり、そこに掛かる赤い橋もいいアクセントだ。海は遠いが一応見える。とにかく静かなこと、朝は鳥の声、夜は虫の声と、自然の音だけが耳に入る環境は、都会では得難い。

洗面台

バスルームは、マンション風。大型の洗面台がバスルームの外にあり、脱衣カゴが置いてある。ホテル仕様ではないので、生活感がぬぐえない。トイレは独立しており、洗浄機能付き便座を備えている。

バスルーム

バスルームは洗い場付き。壁や床はタイル張りで、部分的に変色しているところもあり、やや公共設備的な雰囲気だ。バスタブはさほど大きくはなく、上部排水口付きなので、湯を溢れさせることはできない。

バスアメニティ

バスアメニティは一通り揃っている。シャンプー類は大型ディスペンサーボトル式で、バスルーム内にある。歯ブラシと歯磨き粉のセットは、長期滞在でも使い続けられるよう、耐久性の高い歯ブラシと、容量の多い歯磨き粉を用意してある。また、宿泊客は西表島を望む展望大浴場を無料で利用することができる。

客室は、広さに不足はないのだが、室内だけで快適にリゾートライフを過ごせるよう、工夫や演出に満ちているかといえば、そうでもなく、どちらかというと、アクティブに過ごす人向けに感じる。では、敷地内に、どのようなアクティビティがあるのだろうか。

やはりメインはマリンスポーツ。ビーチを拠点に、さまざまなアクティビティが用意されている。ここでマリンスポーツをしないのは、草津で温泉に入らないようなもの。だが、この連休はとにかく天候が思わしくない。ほとんど日が差すことがなく、雨が降ることも。加えて気温も低く、海に入る気分にはなれなかった。

海の眺め

そうなると、広大な敷地をただふらふらと歩きまわるのみ。なんだか退屈と思いきや、これがあんがい楽しかった。敷地内には、人工的に整えられたのとは一味違う野趣のある場所がたくさんある。そこにさりげなく咲いている花を見つけたり、海岸で見知らぬ生き物を眺めたり、興味は尽きない。いったい何の花だろうと思えばシャッターを切り、センター棟にある沖縄の植物図鑑と比較して名前を知るのも楽しかった。

人影のない敷地内

そんな気ままな過ごし方も、はいむるぶしならでは。食事どきのレストラン以外では、どこを歩いていても、ほとんど人と会うことがない。テーマパークのように楽しみを先導される仕掛けもないので、逆に感性が研ぎ澄まされてくる。ふらりと歩いている時、スタッフの乗ったカートやミニバスが通りかかれば、「乗って行きますか?」と声を掛けてくれる。そんなさりげないコミュニケーション以外は、すべてが自分と向き合う時間だ。

ビーチハウス

ビーチエリアまでは歩いて10分近く掛かる。センター棟から送迎もあるが、歩く方が楽しい。ビーチハウスもまもなく改装されるらしいので、いずれ雰囲気が変わることだろう。今は、季節外れのような静けさ。シンプルな設備に心地よさを感じる。

ビーチ

砂浜には、チェアやパラソルが並んでいる。水着で寝転んでいる人もわずかにいるが、寒そうだ。服を着たまま座っていても、風が冷たい。

ビーチ

一応、遊泳可能らしいが、海に入っている人はひとりもいなかった。誰もいない海には、なんとなくもの悲しさが漂う。

プール

センター棟の脇には、屋外プールがある。芝に囲まれ、開放的な環境だ。芝には木々が点在し、そこにハンモックが吊るしてある。試しに寝転んでみたが、ゆらゆらと心地よく、まどろんでみたくなった。でも、この気候ではカゼを引くに違いない。

太郎

センター棟の近くには、水牛のいる池がある。勤務時間になると連れて来られて、のんびりと過ごす手本を見せてくれるのは「太郎」。そう、何も考えずに、ただのんびり。はいむるぶしならではの島時間だ。

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OFFICIAL WEBSITE

はいむるぶし

このホテルに関する過去のレビュー

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