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岡山国際ホテル Moderate Double Room | |
Okayama International Hotel | 2011.02.22(火) |
岡山市中区 | 哀-1 |
ARCHIVES ・ 1992 |
ホテルは立地 岡山国際ホテルは市街地中心部から離れており、アクセスに不便を感じるが、高台に建っていることで市街地をドラマチックに見渡せるなど、ゆとりと開放感のある雰囲気を満喫できるホテルでもある。 だが、リゾートホテルならともかく、都市型ホテルにとって利便性の高い立地条件は不可欠。せっかく多くの魅力を備えたホテルでありながら、1973年の開業以来、苦難を重ねて来たことは周知の通りだ。 ロイヤルパークホテルズに加盟しても劇的な改善は得られず、オークラホテルズ&リゾーツに鞍替えし、ホテルオークラ岡山となってからも厳しい状況が続いた。2010年12月にホテルたけべの森に譲渡され、ホテル名を再び岡山国際ホテルに戻してからは、アーバンリゾート色を強めて再起を図っている途上にある。 駅前の便利な立地に新しいホテルが続々とオープンしたことも、客足の流れを大きく変えてしまったようだが、岡山国際ホテルがその魅力を発揮するには、立地の特色をとことん活かす必要がある。駅前になく、そこにならあるものとは何なのか。一晩泊まって探してみることにした。 岡山駅から国際ホテルまでは、タクシーで20分程度を要した。往復で40分、約3,000円の出費。ここで考えてしまうのは、40分の時間と3,000円が浮くとしたら、多少居心地が悪くても駅前のホテルでいいと思う人は少なくないだろうということだ。これで駅前ホテルの方が快適であれば、勝ち目はないような気がしてきた。 だが、周囲の環境はなかなかのもの。わずか標高85メートルとはいえ、やはり空気が違う。緑が多く、視界も開けており、寺やゴルフ練習場が近くにあることも、環境のよさを物語っている。ホテルの敷地は広く、市街地にはないゆとり感たっぷりだ。 チェックインはスムーズに行われたが、担当した女性スタッフの一貫して無愛想な態度にはガッカリした。不慣れだというより、仕事に飽きているのかと思わせる感じ。利用した宿泊プランの特典などもよく理解しており、むしろ熟練を感じるだけに残念。 用意された客室は11階のモデレートダブル。エレベータホール前だけ廊下が広くなっており、そこに面したふたつの客室は面積の一部が削られている。その2室のうちの1室がアサインされた。広さは約21平米。このホテルでは標準的なツインルームでも24平米程度と、それぞれの部屋は比較的コンパクトだ。 インテリアはビビッドな赤とダークブラウンのコントラストが基調。パッと見た感じは小奇麗で、華やかな印象を受けるが、淡い色のカーペットなどは黒ずんでいる。天井高は250センチは低め。窓台が高いためか、なんとなく閉そく感があるが、向きは市街地をのぞむ眺めのいい側だ。 ベッド幅は155センチ。薄いマットレスを使っており、ベッド全体の高さも41センチと低め。デュベカバー仕上げのベッドメイクで、枕は4つ。暖色系のスローケットを掛けてあるが、ベッドボードの赤の前には地味な色でしかない。ベッドリネンの肌触りはざらざら。ナイトランプはベッドボードに取り付けられている。 天井の梁に沿って、ブラウンのラインが入っていることで、部屋の印象を引き締めている。ベッド脇の壁は何の装飾もなく退屈。居室とホワイエの間には、しっかりとした内扉がある。 デスクユニットはコンパクトに集約されている。小さなテレビは20インチで、液晶ながらアナログ。デスクユニットの脇には小さいバゲージ台がある。 デスクは隅に行くほど奥行きが狭くなるため、イスも斜めにセットしてある。ワークスペースとして使うには天端が狭い。デスクにはミラーとデスクライトがある。 ベッドと窓の間には、真っ赤なアームチェアと丸いテーブルがある。禁煙室ではないので灰皿付きだ。不思議なのはその配置。何もこのような窪みに押し込まなくても、窓の前には十分なスペースがある。そこに優雅に配置すればもっと見栄えがいいだろうに、まるで掃除がしやすいよう、ホテル側の都合でこのように置いてあるように感じた。 クローゼットは入口付近。折戸が両側に開くのはいいが、奥行きが25センチと極めて浅い。ハンガーは横向きに6本用意されているが、あまりに浅いので、それ以外のものを収納するのは難しいだろう。 バスルームは130×200センチサイズで、旧式のユニットバスのまま。清潔感に問題はないが、特に気を引く要素もない。タオルはどれも新しい感じ。オークラのロゴが入ったものを外し、無地のものを新調したのかもしれない。 バスアメニティは大型ボトル式のシャンプーなどを中心に、標準的な品揃えだが、今回の宿泊プランにはスペシャルアメニティが含まれている。こうした小物が置かれているだけでも、バスルーム全体のグレードが一段アップして感じられる。 窓は思い切り開けることができる。緑豊かな近隣の様子のみならず、岡山中心部の景色を一望できる。夜景に期待したが、街そのものが小さいのか、それほどでもなかった。むしろ昼間の方が見ごたえがある。 窓の構造は二重になっており、2枚のガラスの間にブラインドが取り付けられている。密閉度はさほど高くないのか、夜には内側がひどく結露していた。また、客室内は暖房が強烈に効いていた。弱にしても暑いので停止させたが、それでも十分に暖かかった。 さて、パブリックスペースに出てみよう。エレベータは3基。内、1基は改装されたのか、ボタンや照明が異なっている。 エレベータ内のインテリアも変わっている。ある意味和風なテイストでもあるが、かなり派手な印象。レトロな雰囲気もある。 ロビーにもレトロさが漂うが、ファブリックの新調によりモダンさを加味している。基本がレトロで重厚という点では、オークラのテイストと共通すると言えなくもない。 フロントカウンターはエレベータホール前。カウンターとエレベータの間には、スリット状の仕切りが設けられている。 ロビーは145室の小さなホテルにしてはとても広々している。ソファも数多く配置されており、国際ホテルの名に恥じないスケール感だ。 正面玄関には胡蝶蘭の鉢植えがあり、ロビー全体に続く格子柄の赤いカーペットが、キリッとした印象を作っている。 正面玄関の外側には赤いカーペット。照明はレトロ。なんだか、古い映画を見るような雰囲気だ。 敷地内には広い芝生があり、一角にはダイナミックな滝を配してる。ガーデンに出てみたいと思ったが、出入り口が見つからなかった。 宴会場は、本館内の他に、別館に設けられている。別館は宴会場棟となっており、2,000名収容の瑞光がある。この宴会場があることにより、国際会議の舞台となる機会も多いようだ。 レストランは5か所。さまざまなプロモーションを通じ、週末には混雑する店もあるという。今回はロビー階にあるカフェで海老フライを食べた。ライスなどは付いておらず、別料金。ロビーを含め、ほとんど人の姿がなく、かなり寂しい。 このホテルに1泊してみて、やはり宿泊やレストランだけで再起を図ることは難しいだろうと感じた。もし救いになるものがあるとすれば、大宴会場を活用したMICEの誘致以外にはないだろう。それをホテルもわかっているのか、個人客を丁寧にもてなしてリピーターにさせようという気は伝わらなかった。 帰りに後楽園と岡山城を訪ねた。長い時を経ても優雅さが残っている場所は心地がいい。静かに佇む建物や木々に馴染むため、こちらも静かに佇んでみる。そうすれば、歴史の息吹が語りかけてくるのが感じられるかもしれない。 |
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