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ホテルニューオータニ大阪 Executive Junior Suite | |
Hotel New Otani Osaka | 2010.12.11(土) |
大阪市中央区 | 楽-3 |
ARCHIVES ・ 1992 |
日本のホテルならではのゴージャスさ ホテルニューオータニ大阪の開業は1986年9月1日。まだ西の迎賓館はロイヤルホテルと誰もが口を揃えていた時に、御三家と呼ばれた東京のホテルのうち、最も早い関西進出を果たしたのがニューオータニだった。その10日後にはヒルトン大阪が開業しており、この頃から大阪のホテルは競争が激しくなり始めた。 ニューオータニ大阪が建つのは、大阪ビジネスパークの一角。梅田や難波の繁華街からは離れているが、大規模な再開発地区内にあることで、いつも賑わいが絶えない。隣接するいずみホールや近隣の大阪城ホールでイベントがある時など、非常に混雑することもある。 ホテルは18階建て。大阪城に向いた眺めのいい側から見ると、両側が後ろに折れ曲がった外観をしている。設計は歌う建築家・横川隆一氏。客室数は現在540室。開業当時は600室を越えていたように記憶しているが、改装により数が減少したようだ。 表側に対し、裏側の外観はずいぶんと印象が異なる。手前には低層棟があり、アトリウムロビーや宴会場などがあり、ルーフトップにはプールやテニスコートも設けられている。正面玄関車寄せは、裏側の低層棟に面している。 アトリウムロビーはダイナミック。広大な空間を大理石やミラー、真鍮の手すりなどで彩り、ホテルならではの高級感を醸しながら、人々が行き交う活気にも馴染んでいる。 中央にはロビーラウンジがあり、ユニークならせん状照明器具が下がる。その更に上からのトップライトも効果的だ。 フロントカウンターはアトリウムに面した位置にあり、ロングカウンターをジグザグに折り、独立カウンターが斜に構えて並んでいるように見せているのが面白い。東京のニューオータニはロボットのように冷淡なサービスをするが、さすがに大阪でそれは通用しないとわかっているのか、こころもち低姿勢である。 客室への案内は女性のベルアテンダントが行った。アトリウムロビーを進み、艶やかな大理石と真鍮の輝きが印象的なエレベータホールへ。エレベータは6基あり、ほとんど待たされることがない。 客室階のエレベータホールや廊下のデザインと質は、フロアによって大きく異なる。シンプルな低層階から、やや上質感が加わる中層階、そして見るからに高級感のある高層階と、その差の付け方は同じホテルとは思えないほどだ。 今回は15階にある部屋がアサインされた。15階も一応エグゼクティブフロアなのだが、16階、17階は更にゴージャス。15階の廊下には音楽家たちが演奏している様子を描いた作品が掲げられており、ひとつひとつを興味深く見て歩いた。 利用した客室は60平米のジュニアスイート。城側の客室はキャッスルビュー、裏側はタウンビューとカテゴリー分けされているが、シングルルームは全室タウンビュー、スイートは全室キャッスルビュー、30平米の標準客室と40平米のラージルームには両方のビューがある。 ジュニアスイートの構造は、30平米の客室2室分のスパンを使い、リビングルームとベッドルームにそれぞれ1室分ずつの面積を当てている。ドアを入るとリビングに通じる廊下があり、リビングの手前には内扉が設けられている。廊下に面して広いウォークインクローゼットと、引き戸のクローゼットがある。 リビングルームは淡い色のカーペット敷きで、ソファセットの部分にだけ更にラグマットが敷いてある。縦ストライプの壁紙は光沢があり、ドレープやクッションの柄も華やか。家具も装飾性に富み、なかなか濃厚で派手な感じの内装だ。 ソファはL字型。ガラスのローテーブルに、スタンドの載ったサイドテーブルを添えている。ソファとはどっしりとしたアームチェアがセットになっている。 ワークデスクは窓を背にソファ向きに配置。イスにキャスターは付いていないが、長時間座っても苦痛ではなかった。デスクトップは広く、作業に申し分のない環境が整っている。LANは無料。 ソファの向かいにはキャビネット。色違いの木目やミラーを使い、デザイン性の高さが感じられる。かつては右側の扉内にテレビが収まっていたのだろうが、今の液晶テレビは入りきらず、上に載せられている。代わりに、オーディオ機材が中に置いてある。ミニバーもこの中。 リビングルームとベッドルームの間は、格子状のすりガラス入りスライドドアで仕切られている。キングサイズのベッドは、カバーが外されており、すでに就寝支度のセッティング。リビング同様、ファブリックが華やかなだけに、白一色のデュベはまるで下着のように見える。特別階のスイートにして午後1時の到着時からこの状態なのは残念だ。 窓は比較的大きく取られており、ベッドに横になった状態でも大阪城天守閣を眺めることができる。ベッドサイドにはアームチェアとテーブルがあり、テレビはスライドドア脇の台に載っている。他にサイレントバトラーやフロアスタンドがあるくらいで、余計なもののないシンプルな空間だ。 バスルームはベッドルームの奥に位置している。バスルームホワイエの床は大理石敷きで、引き出し付きのバゲージ台やガラスの棚など、収納スペースを兼ねている。クローゼットは入口ドア側にもバスルーム側にも引き戸が付いており便利。 バスルーム内はさほど広くはないが、明るく華やかな空間だ。壁はタイル張りで、床は赤い石。ベイシンには白い大理石を使っている。 バスタブは長さ160センチのゆったりサイズ。シャワーカーテンとは別に、カラン側の一部にガラスの仕切りが設けられており、シャワーカーテンを引いた時にも視界を保てる。 バスアメニティは各種揃っている。シャンプー類はロクシタン。30mlのボトルが2本ずつ用意されている。タオルはバスタオルのみ3枚で、あと2サイズは2枚ずつ。バスローブはバスルーム前の棚に置かれている。 エグゼクティブフロアかスイートに宿泊する場合は、ゴールデンキー特典が利用できる。客室でのウェルカムドリンクやモーニングコーヒー、バーラウンジでの飲みもの半額、ランドリー優待などが主な内容。専属アテンダントによるサービスというのもあるようだが、いったい誰が専属アテンダントなのかわからず、利用のしようがなかった。 窓から見る大阪城の景観は、昼夜を問わず素晴らしい。ホテルそのものが持つスケール感や内装が、ホテルが最もホテルらしかった時代の雰囲気を今に伝えているようで、心地よさと懐かしさが交差する滞在だった。 |
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