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観光ホテル東 Twin Room |
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Hotel Azuma Okierabu | 2010.12.04(土) |
鹿児島県大島郡 | 楽-3 |
ARCHIVES ・ 1992 |
シンプルライフ 鹿児島は広い。県内を移動しているだけでも、離島を訪れるにはフェリーや飛行機が欠かせない。鹿児島最果ての島々に属す沖永良部島は、遠く離れてはいるものの、飛行機に乗ってしまえば、眼下の青い海や島影を眺めているだけで、目的地に行ける。 まだ数えるほどしか来たことのない沖永良部島だが、空港に降り立つ度に、その静けさと素朴さが歓待してくれているのを実感し、ああ、帰って来たという気分にすらなる。 今回の宿は、和泊町の中心部にある観光ホテル東。いかにも南の島らしいコンクリート造りの外観は、強い海風に何年も耐えて来たことをうかがわせる。エントランスの脇には洒落たカフェもあり、ダイバーなど若者の宿泊も多いようだ。 ロビーもまた飾り気のない雰囲気。もし沖永良部島にバンヤンツリーやアマンなどのリゾートがあったらどんな感じだろうと想像してみるが、どうしてもしっくりこない。むしろ流行や贅沢とは無縁の素朴さこそが風土になじむ。旅行者同士が初めてこの場で出会っても、どこから来たの?と気取りのない会話が始まりそうな感じである。 かつては靴を脱いで上がるようになっていたようだが、今は全館靴のままでOK。ロビーにはベンチシートや籐椅子が並び、テレビも点いてる。そして、沖永良部特産のえらぶ百合が飾られている。 用意された客室は別館にある。本館を抜け、コンクリートの渡り廊下を通って別館へ。教室のある校舎から体育館へと向かうような感じだ。中庭のように見える場所があるが、車が停まっているので駐車場なのだろうか。熱帯の植物が、自由気ままに伸びている様子も沖永良部らしい。 館内にも装飾性はほとんどない。この古びた感じも味わいのうち。なにか映画でも撮ったら、いい映像になりそう。 客室は広めのツインが用意された。必要なものだけを備えたシンプルなインテリア。心躍らせる要素はないが、神経を逆なでするものもない。色彩感も控え目だが、トータルでのバランスは整っている。 ベッドは2台。最新のマットレスやふかふかのデュベはないが、ノイズのない静けさを味わいながら休むひと時は、都会にはない安らぎだった。ベッドボードは木目。それぞれのベッドに蛍光灯のナイトランプが付いている。 ベッドの向かいはカウンターボードを設置。窪みになった窓側付近をデスクにあてている。他にテーブルはなく、ダークブラウンのリゾート風イスが、ふたつ並んでデスクに向けられている。 デスク上にはお茶のセット。冷蔵庫は下に収まらず、テレビ台と並べて床に置いてある。壁のコンセントはかなりの蛸足配線だ。客室では高速インターネットも利用できる。空気清浄機も常備。 客室内にクローゼットはない。壁に設けられた簡易型のハンガーレールに、プラスチックのハンガーが下がっている。 ドア脇にあるマスター電源は、ルームキーにより作動する。ドアに付いてるキースロットと同じだ。 バスルームはユニット式。洗浄機能付き便座は備わっていない。バスルーム内も結構老朽化しているが清潔に清掃されている。 朝食は食堂で提供される。他で類を見ないほどシンプルな朝食だったが、これでも満足できてしまうのが沖永良部島。足りない感じがあっても、それが不足にはならないのだ。有り余る物に囲まれた生活が、より一層の欲を掻き立てる。シンプルでも人は豊かに生きていけるのだと、島が教えてくれた。 |
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